大阪府の北河内地域に位置する門真市でも、空き家の増加が深刻な課題となりつつあります。総務省の統計によると、門真市の空き家率は16.99%、放置空き家率も5%を超えており、市民生活や防災面でのリスクが懸念されています。
この記事では、門真市における空き家の現状やその背景、解体費用の相場、補助制度までを網羅的に解説します。
空き家を「そろそろどうにかしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
門真市は今「空き家」が増えている?
大阪府内でも住宅地が密集する門真市では、近年、空き家の増加が顕著になっています。高齢化や相続後の放置といった全国的な要因に加え、建物の老朽化や用途制限など、地域特有の課題も影響しています。
放置された空き家は、防災・衛生・景観の面で地域住民に悪影響を及ぼす恐れがあり、早期の対応が求められています。
最新の空き家率データ(門真市)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 住宅総数 | 68,670戸 |
| 空き家数 | 11,670戸 |
| 空き家率 | 16.99% |
| 放置空き家数 | 3,810戸 |
| 放置空き家率 | 5.55% |
全国平均の空き家率(約13.6%)を上回り、門真市では6戸に1戸が空き家という状況です。中でも5%以上が放置状態とされており、地域の老朽住宅対策が急務となっています。
なぜ空き家が増えているのか
門真市における空き家増加の背景には、都市部ならではの複合的な要因があります。高度経済成長期に建てられた住宅が多く、老朽化が進んでいることに加え、相続や再建築の難しさから空き家化しやすい状況です。
以下に主な要因を整理しました。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 高齢化の進行 | 高齢者世帯の入院・死亡後に空き家化するケースが増加 |
| 相続後の放置 | 相続人が遠方に住んでいたり、活用目的がないまま放置 |
| 老朽化 | 修繕コストが高く、居住・売却のどちらも困難な築古住宅が多い |
| 市街地の制限 | 道が狭い・再建築不可など、流通性に難あり |
| 空き家所有者の情報不足 | 補助金や活用策を知らず、対応が後回しになる傾向 |
特に門真市では、古い住宅密集地が多く、近隣との境界が狭い物件や、再建築に制約のある土地が一定数存在しています。そのため、解体や再利用に踏み出せないまま放置される物件が増えているのです。
門真市の解体補助金情報
門真市では、空き家等が放置されることで「倒壊・景観悪化・衛生上の問題」が生じることを重く受け止め、所有者向けに相談窓口や補助制度を整備・運用しています。本章では、所有者が知っておきたい主な支援制度と利用にあたってのポイントを整理します。
大阪府 門真市 の補助金情報
門真市危険家屋等除却補助金
| 事業・条令名 | 門真市危険家屋等除却補助金 |
|---|---|
| 制度の概要 | 市は、著しい老朽化などにより、倒壊等の危険性が高く周辺住環境を悪化させている建築物に対し、除却費用の一部を補助しています。 |
| 対象建築物の概要 | 次のすべてに当てはまること ・要綱の別表第1の判定基準による点数が100点を超えるものまたは市長が除却の必要があると認めたもの ・原則、昭和56(1981)年5月31日以前に建築されたもの ・住宅の場合は空き家であること ・すでに他の要綱等により除却・改修等の補助を受けていないもの ・補助金の交付を受ける目的で故意に破損したものでないこと ・都市計画施設および市街地開発事業の区域内にある場合は、市長が認めたもの ・建設業法第3条第1項の許可を受けている者または、建設リサイクル法第21条第1項の登録を受けた解体工事業者による除却工事で、対象建築物を全て除却する工事である事。ただし、区分所有建築物の場合は所有している部分を除却する工事とする(復旧工事は補助対象外) 注意:危険家屋等に該当するか、市職員が現地調査を行いますので事前にご相談下さい。 |
| 補助金額概要 | 【住宅】 ・一戸建ての住宅:除却費用の5分の4(上限60万円) ・長屋または共同住宅:除却費用の5分の4、かつ戸当たり30万円(上限200万円) 注意除却費用の上限があります。詳しくは下記のPDFをご覧ください。 【上記以外の建築物】 除却費用の3分の2(上限200万円) |
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 建設業法第3条第1項の許可を受けている者または、建設リサイクル法第21条第1項の登録を受けた解体工事業者による除却工事で、対象建築物を全て除却する工事である事。ただし、区分所有建築物の場合は所有している部分を除却する工事とする(復旧工事は補助対象外) |
| 問い合わせ先 | まちづくり部 建築指導課 開発安全グループ |
門真市木造住宅除却補助金
| 事業・条令名 | 門真市木造住宅除却補助金 |
|---|---|
| 制度の概要 | 門真市は、昭和56(1981)年5月31日以前に建築され、耐震診断の結果、耐震性の低い木造住宅を対象に除却費用の一部を補助しています。 |
| 対象建築物の概要 | 次のすべてに当てはまること ・昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅 ・耐震診断結果の数値が0.7未満のものまたは「誰でもできるわが家の耐震診断」の評点の合計が7以下のもの ・既に他の要綱等により除却・改修等の補助を受けていないもの ・都市計画施設および市街地開発事業の区域内にある場合は、市長が認めたもの ・建設業法第3条第1項の許可を受けている者または、建設リサイクル法第21条第1項の登録を受けた解体工事業者による除却工事で、対象建築物を全て除却する工事である事。ただし、区分所有建築物の場合は所有している部分を除却する工事とする(復旧工事は補助対象外) ・固定資産税および都市計画税を完納していること ・補助対象建築物を1年以上所有している個人所有者であること |
| 補助金額概要 | 一戸建ての住宅:除却費用の23%(上限30万円) 長屋または共同住宅:除却費用の23%、かつ戸当たり30万円(上限200万円) 注意:除却工事に要する費用は1平方メートルあたり39,900円以内とします ※詳細は自治体ホームページをご確認ください。 |
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 建設業法第3条第1項の許可を受けている者または、建設リサイクル法第21条第1項の登録を受けた解体工事業者による除却工事で、対象建築物を全て除却する工事である事。ただし、区分所有建築物の場合は所有している部分を除却する工事とする(復旧工事は補助対象外) |
| 問い合わせ先 | まちづくり部 建築指導課 開発安全グループ |
門真市アスベスト飛散防止対策事業費補助金
| 事業・条令名 | 門真市アスベスト飛散防止対策事業費補助金 |
|---|---|
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 無し |
門真市空き家等除却補助金
| 事業・条令名 | 門真市空き家等除却補助金 |
|---|---|
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 無し |
門真市地震時等に著しく危険な密集市街地老朽木造建築物等除却補助金
| 事業・条令名 | 門真市地震時等に著しく危険な密集市街地老朽木造建築物等除却補助金 |
|---|---|
| 制度の概要 | 門真市では国道163号以北の北部地区の密集市街地のうち、延焼危険性や避難困難性が特に高く、地震時などにおいて大規模な火災の可能性や地区外への避難経路の喪失の可能性があり、生命・財産の安全性の確保が著しく困難で、重点的に改善が必要な密集市街地(地震時等に著しく危険な密集市街地)を令和7(2025)年度までに概ね解消するとの目標を定め、土地区画整理事業等の面整備事業による道路・公園等の公共施設整備に取り組んでいます。 現在、進めている面整備事業は地権者の合意形成が前提のため、事業が長期にわたるなどの課題があることから、面整備事業に加え、老朽木造住宅等の除却補助制度を昨年度から引き続き行い、除却を促進することで密集市街地の解消をめざしています。詳しくは、「門真市地震時等に著しく危険な密集市街地老朽木造建築物等除却補助金交付要綱」をご覧ください。 |
| 対象申請者 | 次の項目のすべてに該当する人 ・補助対象建築物の所有者またはその相続人(注釈1) ・固定資産税および都市計画税を滞納していない (注釈1)建物所有者またはその相続人は個人、法人は問いません |
| 対象建築物の概要 | 次の項目のすべてに該当する老朽木造建築物等 ・昭和56(1981)年5月31日以前に建築されたもの ・対象区域(地震時等に著しく危険な密集市街地)内に存するもの ・差押え、仮差押えまたは仮処分を受けていないこと ・ほかの要綱などに基づき、除却または耐震改修等に係る補助金の交付を受けていないこと ・土地区画整理事業、道路整備事業などによる建物移転補償の対象となっていないこと |
| 補助金額概要 | 【補助額】補助対象経費 【補助対象経費】 除却工事における補助対象経費(建築物の除却に関する経費) 次の1から3の額のうち、最も少ない額を補助対象経費とします。 1.除却工事に要する経費(建築物本体の除去以外の塀の撤去、荷物の廃棄等は除く) 2.補助対象建築物の延床面積に単価32,000円/㎡(令和7年度単価)を乗じて得た額 3.建物等用途別に応じた限度額(下記) 一戸建て(併用住宅を含む):2,240,000円 長屋建て住宅(併用住宅を含む):6,400,000円(2,240,000円/戸) 共同住宅(併用住宅を含む):6,400,000円 住宅以外の建物(店舗、事務所等):2,560,000円 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | まちづくり部 地域整備課 地域整備グループ |
門真市の解体費用相場はいくら?
空き家の適切な管理・処分を検討する上で、費用の把握は欠かせません。門真市単体での公式な解体費用データは存在しませんが、ここでは大阪府全体の平均相場を参考に、解体費用の目安を建物構造ごとにご紹介します。
建物の構造別にみた費用目安(門真市)
| 坪数帯 | 坪単価目安 | 概算費用(例) |
|---|---|---|
| 10坪未満 | 約6.1万円/坪 | 約61万円 |
| 10坪台 | 約7.3万円/坪 | 約110万円(15坪) |
| 20坪台 | 約6.2万円/坪 | 約155万円(25坪) |
| 30坪台 | 約5.7万円/坪 | 約171万円(30坪) |
| 40坪台 | 約5.8万円/坪 | 約232万円(40坪) |
| 50坪台 | 約5.5万円/坪 | 約275万円(50坪) |
| 60坪台 | 約5.2万円/坪 | 約312万円(60坪) |
| 70坪以上 | 約4.7万円/坪 | 約329万円(70坪) |
門真市のような都市型住宅地では、隣家との距離が近い・道幅が狭いといった理由から、重機搬入や養生などのコストが追加される場合もあります。
費用が高くなる・安くなるケース
解体費用は一律ではなく、建物の立地条件・構造・残置物の有無などによって上下します。門真市は古くからの住宅密集地が多く、狭小敷地や私道接道といった特殊条件も費用に影響を与えます。
以下に、費用が高くなる・安くなる代表的な要因をまとめました。
| 項目 | 費用が高くなるケース | 費用が安くなるケース |
|---|---|---|
| 立地条件 | 道幅が狭く重機が入らない、接道が私道 | 幅の広い道路に接道、作業しやすい立地 |
| 建物構造 | 鉄骨造・RC造・3階建て以上 | 木造・平屋など構造が簡易な建物 |
| 残置物の有無 | 家具・ゴミ・大型家電などの残置物が多い | 建物内が空で事前に片付け済み |
| 地中の状況 | 古い基礎・井戸・浄化槽などの地中障害物あり | 地中に障害物がなく、撤去作業不要 |
| 周辺環境 | 近隣に学校・保育園・病院などがあり作業制限あり | 作業時間や騒音制限の少ない住宅地 |
門真市では、特に「昔ながらの長屋」や「建て替え困難な密集住宅」が多く、見積もり時に敷地・建物の状況を正確に調査してもらうことが重要です。
解体工事価格は上昇傾向
木造住宅の解体費用は、ここ数年で全国的に上昇しています。
下記グラフでは、各年度の平均的な傾向をもとに算出した概算値を示しており、実際の費用は、建物の構造・立地・工事条件などによって大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
解体工事をご検討の方は、早めに見積もりを取ることをおすすめいたします。
概算シミュレーター
該当市区町村を選択すると、補助金を含めたおおよその解体工事費用が分かります。
このシミュレーターは、あくまで目安を知るためのツールです。
実際の費用は建物の構造や立地条件などによって変わるため、正確な金額を知りたい方は見積もりを依頼するのがおすすめです。
解体費用を抑えるポイント
門真市のように、住宅が密集しているエリアでは解体工事にかかる費用も高くなりがちです。
しかし、事前の準備と情報収集によってコストを抑えることが可能です。ここでは、空き家の解体で失敗しないために実践したい2つの節約ポイントをご紹介します。
相見積もりの重要性
解体費用を無駄なく抑えるためには、複数の業者に見積もりを取る「相見積もり」が必須です。1社だけの見積もりでは、価格や工事内容の適正がわかりません。必ず2〜3社以上から比較するようにしましょう。
| メリット | 解説 |
|---|---|
| 費用相場を把握できる | 高すぎ・安すぎの業者を見極める基準になる |
| 工事内容の違いが見える | 各社の内訳や説明の丁寧さが比較材料に |
| トラブルを防げる | 「一式」見積もりによる後からの追加請求リスクを減らせる |
| 補助金対応かも確認できる | 補助制度に詳しい業者かどうかが判断しやすい |
業者選びの注意点
解体工事を依頼する際、金額だけで業者を選んでしまうと後悔するリスクがあります。門真市のような住宅密集地では、安全性・近隣配慮・法令遵守など、信頼できる業者かどうかをしっかり見極めることが非常に重要です。
以下のチェックリストを参考に、安心して任せられる業者を選びましょう。
| チェックポイント | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建設業許可・産業廃棄物収集運搬業許可 | 正規の許可を持っているかを確認 | 無許可業者は不法投棄・トラブルのリスク |
| 見積書の内訳 | 「一式」ではなく、項目ごとに詳細記載されているか | 内訳がないと追加費用の可能性が高い |
| 現地調査の丁寧さ | 敷地状況や周辺環境まで確認しているか | 簡易調査では当日のトラブルが起きやすい |
| 近隣配慮の有無 | 工事前の挨拶・養生・騒音対策をしてくれるか | 密集地ではトラブル回避に不可欠 |
| 補助金制度の理解 | 市の制度に詳しく、申請サポートができるか | 知識がない業者では手続きが滞る可能性 |
信頼できる業者は「丁寧な説明・明確な見積・近隣配慮」ができることが共通点です。施工実績や口コミも確認すると良いでしょう。
まとめ:空き家対策と補助金で解体を前向きに
門真市では空き家率が約17%と高く、老朽化や相続後の放置によって地域全体の安全性や景観への影響が懸念されています。特に住宅が密集するエリアでは、倒壊や火災リスク、近隣トラブルにつながる前に、早めの対策が求められます。
解体には一定の費用がかかりますが、門真市では老朽空き家の除却に対する補助制度も整備されており、条件を満たせば工事費用の一部を支援してもらうことも可能です。
「このまま放置するべきか」「解体して更地にするべきか」と悩んでいる方は、まずは複数社の見積もりを取得し、補助金の活用可能性を確認することから始めてみましょう。
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