家を更地にする際は、解体費用や廃材の撤去費用などがかかります。予想以上に費用がかかると、更地にした後の計画に支障をきたす恐れがあります。また、相場通りの費用で解体工事を行うには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、家を更地にするときにかかる費用をお伝えすると共に、費用相場から更地にするまでの流れ、期間などについて詳しくご紹介します。
家を更地にするときにかかる費用が決まる要素
家を更地にする際にかかる費用は、複数の要素によって決まります。予想外に高い費用がかかった、費用の内訳が複雑で見積もりの理解に時間がかかった、といった事態を防ぐためにも、家を更地にするときにかかる費用が決まる要素について詳しく見ていきましょう。
構造
家の構造には、木造や鉄骨造り、鉄筋コンクリート造などがあります。構造によって解体にかかる手間や時間、難易度が異なるため、費用も変わってきます。さらに、4LDKや5LDK、2階建て、3階建て、地下付きなど、間取りや回数も費用に影響を及ぼす要素です。
ここで押さえておきたいのは、屋根部分の面積が広い平屋よりも屋根部分の面積が狭い2階建ての家の方が費用がかからないことです。屋根や基礎の解体には比較的多額の費用がかかるため、いわゆる横長の家よりも縦長の方が解体費用を抑えられる傾向があります。
また、地下室がある場合は、埋め立て作業が必要なので更地にする費用が高くなります。
家の大部分が壊れており、素人でも解体できそうな場合でも、プロの業者に任せた方がよいでしょう。知識や技術がない人物が解体すると、屋根や壁が崩れてきてケガをしたり、隣の家の壁を傷つけたりする恐れがあります。
立地
家の立地も更地にする費用に影響します。建物が隣地と隣接している、面する道路が狭い、重機が入れないといった立地の場合、人件費が高くなります。人件費が高くなる理由は、「足場を作れないから負担が大きい」、「重機を使えないので手作業で解体する」、「道路が狭いので交通整理の人員が必要」などです。
付随工事費用
家を更地にする際は、建物の解体だけではなく様々な付随工事が必要です。例えば、玄関アプローチや庭、駐車場などの解体が必要な場合、それだけ費用が高くなります。特に、有害物質のアスベストが使用されている物の解体時には特別な処理が必要なため、費用が上乗せされます。
廃材の量
解体後に出た廃材の処分にも費用がかかります。廃材の量が多い、処分に手間がかかる廃材の割合が多いといった場合、それだけ処分費用が高くなります。廃材の量は、家の規模や使用している材料などで決まるため、見積もりを取らなければ費用を予測することはできません。
解体業者
家を更地にする際にかかる費用は、業者が決めます。そのため、解体工事や付随工事を依頼する業者の考え方や方針、状況などによって費用も変動します。特に、3月や12月などの繁忙期は閑散期と比べて費用を高く設定している業者もいる点には注意が必要です。
また、業者によって工事の品質や納期に対する考え方が異なります。どれだけ料金が安くても、解体工事でトラブルが起きては元も子もないので、業者の質は十分に確認しましょう。
家を更地にするときにかかる費用の相場
家を更地にする際にかかる費用相場をチェックしておくことで、相場とかけ離れた料金を提示された際に、交渉したり別の業者を探したりと適切に対処できるようになります。家を更地にするときにかかる費用の相場は次のとおりです。
解体工事
解体工事にかかる費用は、坪数や構造で異なります。解体工事にかかる費用は業者によって異なりますが、大体の相場をまとめました。
20坪 | 30坪 | 40坪 | |
木造 | 75万円~110万円 | 110万円~160万円 | 150万円~210万円 |
軽量鉄骨造 | 115万円~130万円 | 190万円~210万円 | 250万円~260万円 |
重量鉄骨造 | 135万円~145万円 | 200万円~210万円 | 255万円~275万円 |
RC造 | 125万円~165万円 | 185万円~245万円 | 245万円~320万円 |
上記の費用はあくまでも大体の目安ですので、解体業者によっては安かったり高かったりすることを覚えておきましょう。また、閑散期や混雑具合、人員確保の状況などの影響も受けます。相場よりも高ければ悪い業者、安ければ良い業者というわけでもありません。
付随工事
アスベストの撤去、庭や駐車場の解体、地下室の埋め立て、浄化槽の撤去などの大体の費用相場をまとめました。業者によっては、複数の作業を依頼することで多少の減額が期待できます。そのため、こちらの表はあくまでも参考程度にとどめておいてください。
アスベストの撤去 | 2万円/平方メートル~9万円/平方メートル ※一定以上の処分面積からは減額される場合があります |
人件費 | 1~2万円/日 |
外構の解体・撤去 | 【例】木の撤去:1~5万円/本 ブロック塀の撤去:2,500~3,000円/平方メートル |
浄化槽の撤去 | 4~11万円 |
土地が広い場合、それだけ多くの付随工事が発生する可能性があります。
廃材
廃材の処分費も業者によって異なります。中には格安で廃材を処分してくれる業者もいますが、解体工事や付随工事の費用で帳尻を合わせている場合もあるので注意が必要です。廃材処分にかかる大体の費用相場は次のとおりです。
コンクリート | 5,000円~/平方メートル |
タイル・ガラスなど | 25,000円~/平方メートル |
石膏ボード | 13,000円~/平方メートル |
木くず | 3,000円~/平方メートル |
廃材処分の単位については業者によって異なります。それに応じて費用相場も変動することを覚えておきましょう。
家を更地にするときの費用を抑える方法
家を更地にする際にかかる費用を抑える主な方法は次のとおりです。
相見積もりをする
複数の業者から見積もりを取れば、価格競争を引き起こすことができます。横暴な値引き交渉はマナー違反ですが、安い業者を探している旨を伝えれば、予想以上に安く依頼できる可能性があります。ただし、見積もりが無料の業者ばかりではないので、何十社も見積もりを取るのはおすすめできません。また、業者に求める条件が不明瞭になり、最良の業者を見極めることが難しくなります。
家の中の荷物は全て撤去しておく
家の中の荷物はそのままでも解体工事は依頼できます。ただし、撤去費用が別でかかるので、できるだけ安く依頼したい場合は家の中の荷物を全て撤去しておきましょう。不用品回収業者に回収を依頼するのもよいですが、リサイクルショップに売ることで撤去費用を抑えられます。
家財道具を処分してもらってトータルコストを抑える
家財道具の種類によっては、不用品回収業者よりも解体業者に処分を依頼した方が費用を抑えられます。木製やプラスチック製の家財道具は安く処分できる場合が多いので、確認を取ってみてはいかがでしょうか。少量の家財道具であれば、解体工事の依頼を条件として無料で回収してくれる業者もいます。
助成金・補助金を利用する
住宅関連の助成金・補助金を利用すれば、家を更地にする費用を抑えられます。ただし、通常の解体工事に利用できる国の助成金・補助金制度はありません。いくつかの自治体では、耐震構造の建物への立て替えや、老朽化住宅の撤去などの費用に対して、補助金・助成金を支給しています。解体工事に利用できる補助金・助成金制度があるかどうか、お住まいの地域を管轄する役所に問い合わせてみてください。
家を更地にするときの流れ
家を更地にするときの流れや費用を支払うタイミングをチェックしておき、期日までに確実にお金を用意しましょう。
1.見積もり取得
まずは、インターネット検索や友人・知人などの紹介で解体業者を探します。ホームページや口コミサイトなどをチェックして、業者の信頼性を見極めましょう。事前に現地調査が必要な場合が多く、見積もりが出るまでに大体1週間はかかります。
2.契約
依頼する解体業者が決まったら、契約へ進みます。契約書の内容に目を通し、不明点や疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。全ての不安や疑問が解消されてから、署名・押印してください。
3.ライフラインを止める
解体工事の際は、電気・ガスなどのライフラインを止めます。セキュリティサービスや電話回線、ケーブルテレビなども忘れずに止めましょう。ただし、水道に関しては解体工事の際に舞う粉塵を抑えるための散水に使うので、止めないようにしてください。
4.着工
解体工事が始まります。料金を支払うタイミングは業者によって異なりますが、着工時や途中、着工後などに分けて支払うことを求められる場合もあります。
5.引き渡し
解体工事が終わったら引き渡しとなります。その後、建物がなくなったことを登記する「滅失登記申請」をしましょう。家屋調査士に申請を委託できますが、3~4万円程度の費用がかかります。
解体工事の一括見積サービスの利用がおすすめな理由
解体工事業者を探す際は、一括見積サービスの利用がおすすめです。その理由を詳しくご紹介します。
業者との面倒なやり取りが不要
一括見積りサービスでは、業者の選定や業者への電話連絡などが不要です。解体工事の要件を入力するだけで、複数社から見積もりを取得できます。両親から相続した家を処分しようと考えているものの、他府県に在住しており仕事も忙しいため、なかなか見積もりを取れない場合があります。このような場合でも、一括見積りサービスを利用すれば速やかに見積もりを取得できるのです。
関連事項の決定に時間を割ける
家を更地にした後、どのように処分・運用するのか時間をかけて考えることが大切です。一括見積りサービスを利用することで時間的な余裕が生まれると、このような関連事項の決定に時間をかけられます。
また、解体工事の流れ、注意点といったノウハウや基礎知識などの習得にも時間を割けるようになり、結果的に理想的な形で作業を依頼できるようになるでしょう。
信頼性が高い業者から見積もりを取れる
一括見積りサービスを提供している企業の審査に通過した企業から見積もりを取得できます。業者の審査が必ずしも完全なものとは限りませんが、自分で探すのと比べて信頼できる業者が見つかる可能性が高いでしょう。
サポートを受けられる
一括見積りサービスによっては、解体に関する不安や疑問を解消するためのサポートを受けられます。万一、業者とトラブルになっても、間に入って対応してくれます。ただし、サポートの内容と質は運営元で異なるので、事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
家更地費用は、家の構造や付随工事の種類などで決まります。また、業者によっても費用が異なるため、一括見積りサービスを利用して相見積もりを取るのがおすすめです。家更地費用の支払いのタイミングは業者によって異なるため、トラブルを防ぐためにも事前に確認しておきましょう。
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