大牟田市では、かつての産業都市として発展してきた背景を持つ一方で、人口減少や住宅の老朽化が進み、空き家の増加が深刻な課題となっています。
特に、長期間使われないまま放置された住宅は、防災面や周辺環境への影響が大きく、所有者にとっても管理や固定資産税の負担が続く点が問題です。
本記事では、大牟田市の空き家の現状をデータに基づいて整理し、解体費用の相場や補助金制度、費用を抑えるための具体的なポイントを解説します。
大牟田市は今「空き家」が増えている?
大牟田市は福岡県内でも空き家数が多い自治体の一つです。
空き家率そのものも高水準ですが、特に問題となっているのが、管理されないまま放置されている空き家の多さです。
まずは、大牟田市の空き家率や戸数をデータから確認し、現状を正しく把握することが重要です。
最新の空き家率データ
大牟田市の空き家率は 21.29% と、福岡県内でも高い水準にあります。
住宅のおよそ5戸に1戸が空き家となっており、その中には長期間放置されている住宅も多く含まれています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 空き家率 | 21.29% |
| 空き家数 | 12,760戸 |
| 放置空き家率 | 12.58% |
| 放置空き家数 | 7,540戸 |
| 住宅総数 | 59,940戸 |
このデータから分かるように、大牟田市では空き家数そのものが非常に多い点が特徴です。
放置空き家の割合も高く、老朽化が進んだ住宅が市内各所に点在している状況と言えます。
空き家の放置期間が長くなるほど、解体や管理にかかる負担が増すため、早めの対応が重要になります。
なぜ大牟田市で空き家が増えているのか
大牟田市で空き家が増えている背景には、人口減少と住宅ストックの老朽化が重なっている点があります。
かつての産業都市として整備された住宅が多く、築年数の経過とともに居住者が減り、使われないまま残る住宅が増えています。
大牟田市で空き家が増加している主な要因は、次のとおりです。
- 人口減少と高齢化の進行
居住者が減少し、高齢者が住宅を離れた後に空き家となるケースが増えています。 - 市外転出による相続放置
相続人が市外に住んでおり、管理や処分が後回しになりやすい状況です。 - 築年数の古い住宅の多さ
修繕費がかかる住宅ほど活用が難しく、空き家として残りやすくなります。 - 空き家数そのものの多さ
市内全体で空き家が多く、解体や活用が追いついていない状況です。
これらの要因が重なり、大牟田市では空き家率だけでなく、放置空き家の数も多い状態が続いています。
放置期間が長くなるほど管理負担やリスクが高まるため、解体を含めた早めの判断が重要です。
大牟田市の補助金制度
大牟田市では、老朽化した空き家の増加を背景に、住環境の改善や防災対策を目的とした空き家対策が進められています。
特に、倒壊や周辺への悪影響が懸念される空き家については、解体(除却)を促すための補助制度が設けられており、条件を満たせば解体費用の一部を補助してもらえる可能性があります。
福岡県 大牟田市 の補助金情報
大牟田市老朽危険家屋等除却促進事業
| 事業・条令名 | 大牟田市老朽危険家屋等除却促進事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | 大牟田市では「大牟田市老朽危険家屋等除却促進事業」を平成23年度より創設しており、今年度も継続して行います。 この事業は、市民の安心・安全の確保と住環境の改善及び良好な景観の促進を図ることを目的として、大牟田市内において使用されず、適正に管理されていない老朽危険家屋等を除却する工事に対し、その経費の一部を補助するものです。 |
| 対象申請者 | 補助の対象となる家屋等の所有者若しくは相続関係者又はこれらの方から委任を受けた方です。相続関係者が申請される場合は、紛争防止のため、覚書等を提出していただきます。ただし、暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者は申し込めません。 |
| 対象建築物の概要 | 周辺の住環境等を悪化させ放置されている木造若しくは軽量鉄骨造の家屋等又はその部分で大牟田市の定める判定基準値を超えるもの等が対象となります。 ただし、所有権以外の権利が設定されているもの(権利を有する者からの承諾を得たものを除く。)や国、地方公共団体、独立行政法人、又はその他の法人が所有権等を有している家屋等及び「空家等対策の推進に関する特別措置法」第14条第2項に基づく「勧告」を受けた家屋等は対象外です。 |
| 補助金額概要 | 対象費用については、補助の対象となる家屋等の除却及び処分に要する費用が対象となります。補助する金額については、対象費用に2分の1を乗じて得た額以内とし、60万円を限度とします。ただし、1,000円未満の端数があるときは、切捨てとなります。 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 都市整備部 建築住宅課 空家対策担当 |
大牟田市中心市街地老朽建築物除却促進事業
| 事業・条令名 | 大牟田市中心市街地老朽建築物除却促進事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | 長屋や鉄筋コンクリート造の建築物を除却するときは、限度額が150万円になります。詳しくは、本文及び要綱をご覧ください。 大牟田市では、平成25年度より市内中心市街地の活性化エリア内を対象にした、「大牟田市中心市街地老朽建築物除却促進事業」創設し、今年度も継続して行います。この事業は、対象地区の景観を損ね、環境及び防災に悪影響を及ぼしている老朽建築物の除却を促進し、更新を支援することで対象地区内の環境改善を図ることを目的としています。対象地区内の老朽建築物の除却をする工事に対し、その経費の一部を補助するものです。 |
| 対象申請者 | 補助の対象となる建築物の所有者若しくは相続関係者又はこれらの方から委任を受けた方です。相続関係者が申請される場合は、紛争防止のため、覚書等を提出していただきます。ただし、暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者は申し込めません。 |
| 対象建築物の概要 | 対象となる地区内(令和5年4月1日よりエリア拡大しました。)で周辺の環境等を悪化させ放置されている建築物(所有権区分された長屋はその区分された部分をいう。)で、大牟田市の定める判定基準値を超えるもの等が対象となります。ただし、所有権以外の権利が設定されているもの(権利を有する者からの承諾を得たものを除く。)や国、地方公共団体、独立行政法人等が家屋等を有している建築物及び「空家等対策の推進に関する特別措置法」第14条第2項に基づく「勧告」を受けた建築物は対象外です。 |
| 補助金額概要 | 対象費用については、補助の対象となる建築物の除却、処分及び切取り部分の改修に要する費用が対象となります。補助する金額については、対象費用に2分の1を乗じて得た額以内とし、75万円を限度とします。 ただし、次の各号に掲げる建築物のいずれかに該当し、老朽建築物の除却、処分及び切り取り部分の改修を実施する場合には、75万円を限度に加算します。 1.長屋(申請建築物の柱に隣接して隣家の柱が立てられ、隣家の屋外側が仕上げられていないものを含む。)の建築物 2.木造若しくは軽量鉄骨造を除く構造の建築物 ※1,000円未満の端数があるときは、切捨てとなります。 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 都市整備部 建築住宅課 空家対策担当 |
大牟田市ブロック塀等撤去促進事業
| 事業・条令名 | 大牟田市ブロック塀等撤去促進事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | 地震によるブロック塀等の倒壊による被害防止や避難経路の確保を目的に、 危険なブロック塀等の撤去工事に係る経費の一部を補助する事業を創設しました。 【令和3年度からの変更点】 1.補助対象工事の見直し 2.提出書類の押印廃止 |
| 対象事業・工事の概要 | 1.補助の対象となるブロック塀等の全てを撤去する工事 2.補助の対象となるブロック塀等の頂部を撤去し、高さを1m以下とする工事で、工事完了後に「安全」(診断カルテの評点が70点以上)となるもの ※ブロック塀やフェンス等の再築は補助の対象ではありません。 ※令和3年度から、土留め部分のブロックや門柱、フェンス(その他これらに類する部分)の撤去に要する費用が補助対象外となりますのでご注意ください。 |
| 対象申請者 | 1.ブロック塀等の撤去工事を行う所有者、相続関係者及び管理者 2.1に掲げる者から委任を受けた者 3.暴力団関係者でないこと 4.1~3のほか、「大牟田市ブロック塀等撤去促進事業補助金交付要綱」に定める要件を満たすもの |
| 対象建築物の概要 | 【補助の対象となるブロック塀等】 1.倒壊のおそれがあるなど危険な状態にあること(診断カルテの評点が40点未満) 2.高さが1m以上であること 3.通学路のほか、市長が災害時の安全や通行を確保する必要があると認める一般交通の用に供する道に面すること 4.1~3のほか、「大牟田市ブロック塀等撤去促進事業補助金交付要綱」に定める要件を満たすもの |
| 補助金額概要 | 補助の対象となるブロック塀等の撤去に要する費用の2分の1(上限10万円) |
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 都市整備部 建築住宅課 空家対策担当 |
大牟田市アスベスト含有調査に関する補助制度
| 事業・条令名 | 大牟田市アスベスト含有調査に関する補助制度 |
|---|---|
| 制度の概要 | 大牟田市内の建築物に吹付けられたアスベストの含有調査に要する費用に対し、予算の範囲内で、その費用を補助します。 (注)大牟田市ではアスベスト等の除去、封じ込め、囲い込み等に要する費用の補助は行っていません。 【制度の目的】 アスベストの飛散による健康被害を予防し、市民の生活環境の保全を図ることを目的としています。 |
| 対象申請者 | 補助対象建築物の所有者等が対象者となります。 (注)区分所有建物の場合は、区分所有者の団体または管理者。 (注)所有者等であることのほか、次の要件を満たすことが必要です。 ・補助対象建築物について、国、県及び公共団体から以下の要綱と同様の補助金の交付を受けていないこと。 ・過去に、同一棟の補助対象建築物について、以下の要綱に基づく補助金の交付を受けていないこと。 (注)補助対象者及び同居人が、暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する場合は、補助の対象にはなりません。 |
| 対象建築物の概要 | 大牟田市内で、吹付けアスベスト等が施工されているおそれのある建築物(以下、「補助対象建築物」といいます。)が対象となります。 |
| 補助金額概要 | 補助対象建築物について、含有調査事業に要する経費で分析による調査を実施する機関に対して支払う費用が対象となります。ただし、1棟あたり25万円を限度とします。 (注)千円未満は、切り捨てとなります。 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 都市整備部 建築住宅課 空家対策担当 |
大牟田市の解体費用相場はいくら?
大牟田市で空き家の解体を検討する際は、あらかじめ費用の目安を把握しておくことが重要です。
解体費用は、建物の構造や延床面積に加え、敷地条件や周辺環境によっても大きく変動します。
特に大牟田市は住宅数・空き家数ともに多く、立地や建物条件の幅も広いため、相場感を持たずに見積もりを取ると判断が難しくなりがちです。
ここでは、クラッソーネの福岡県の坪数別データを参考に、大牟田市で想定される解体費用の目安を整理します。
建物の構造別にみた費用目安
解体費用は建物の構造によって大きく異なります。木造住宅は比較的解体しやすい一方、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)は作業工程が増えるため、費用が高くなる傾向があります。
以下は、30坪前後の住宅を想定した参考例です。
| 建物構造 | 坪単価の目安 | 30坪の場合の概算費用 |
|---|---|---|
| 木造 | 約4.9万円/坪 | 約147万円 |
| 鉄骨造 | 約6.0〜7.0万円/坪 | 約180〜210万円 |
| RC造 | 約7.5〜9.0万円/坪 | 約225〜270万円 |
※木造の坪単価は30坪台の平均値
※鉄骨造・RC造は一般的な解体相場を参考にした目安
大牟田市は市域が広く、前面道路や敷地条件に差が出やすい地域です。
条件によっては重機搬入がしやすく、費用を抑えられるケースもありますが、老朽化が進んだ住宅や付帯物が多い場合は追加費用が発生することもあります。
費用が高くなる・安くなるケース
大牟田市での解体費用は、建物の構造や坪数だけで決まるものではありません。
市内は住宅地から旧来の市街地まで立地条件の幅が広く、前面道路の状況や周辺環境によって、実際の工事内容や手間が大きく変わります。
そのため、同じ規模の建物でも見積金額に差が出やすい点が特徴です。
以下は、大牟田市で解体費用に影響しやすい主な要因を整理したものです。
| 要因 | 費用が高くなりやすいケース | 費用を抑えやすいケース |
|---|---|---|
| 立地条件 | 道路が狭く重機が入れない | 前面道路が広く重機搬入が容易 |
| 建物構造 | RC造・構造が複雑 | 木造・平屋 |
| 建物の状態 | 老朽化が進み手作業が多い | 比較的状態が良い |
| 残置物 | 家具・家電・生活ゴミが多い | 事前に撤去されている |
| 周辺環境 | 住宅密集地で養生が多い | 隣家との距離がある |
| 付帯物 | ブロック塀・庭木・井戸がある | 付帯物が少ない |
特に大牟田市では、築年数の古い住宅が多く、残置物や付帯物がそのまま残っているケースも少なくありません。解体を検討する際は、敷地内の状況を事前に整理し、見積もり時にすべて伝えることで、追加費用の発生を防ぎやすくなります。
解体工事価格は上昇傾向
木造住宅の解体費用は、ここ数年で全国的に上昇しています。
下記グラフでは、各年度の平均的な傾向をもとに算出した概算値を示しており、実際の費用は、建物の構造・立地・工事条件などによって大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
また、自治体の補助金を活用することで、実際の自己負担額が軽減できるケースもあります。
正確な費用を知りたい場合は、早めの見積り依頼を行うのがおすすめです。
概算シミュレーター
該当市区町村を選択すると、補助金を含めたおおよその解体工事費用が分かります。
このシミュレーターは、あくまで目安を知るためのツールです。
実際の費用は建物の構造や立地条件などによって変わるため、正確な金額を知りたい方は見積もりを依頼するのがおすすめです。
解体費用を抑えるポイント
大牟田市で空き家の解体を行う場合、建物条件だけでなく、進め方によって費用に差が出ます。
特に大牟田市は空き家数が多く、業者ごとの対応力や見積内容にばらつきが出やすい地域です。
解体費用を必要以上にかけないためには、事前に押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、空き家所有者が実践しやすい費用削減の考え方を整理します。
相見積もりの重要性
解体費用を抑えるうえで、相見積もりは欠かせない工程です。
解体工事は、同じ建物条件であっても業者ごとに見積金額や工事内容が異なることが多く、1社だけの見積もりでは適正価格かどうかを判断できません。
相見積もりを行うことで、次の点を確認できます。
- 費用相場の把握
提示された金額が高いのか妥当なのかを判断しやすくなります。 - 見積書の内訳確認
「解体工事一式」ではなく、作業内容ごとの費用を比較できます。 - 業者の対応力の比較
質問への回答や説明の分かりやすさから、信頼性を見極められます。 - 補助金対応の確認
大牟田市の補助制度に詳しい業者を選びやすくなります。
大牟田市で解体を進める場合でも、最低2〜3社から見積もりを取り、内容を比較したうえで契約することが、無駄な出費を防ぐ基本となります。
業者選びの注意点
解体費用を抑えつつ、トラブルを防ぐためには、価格だけで業者を選ばないことが重要です。
極端に安い見積もりには、工事内容の省略や、後から追加費用が発生するリスクが含まれている場合があります。
業者選びの際は、以下の点を確認しておきましょう。
- 解体工事業の登録や建設業許可を取得しているか
- 見積書や工事内容について、分かりやすく説明してくれるか
- 工事前の近隣あいさつや、騒音・粉じん対策の説明があるか
- 追加費用が発生する条件を事前に明示しているか
これらを確認したうえで業者を選ぶことで、不要なトラブルや想定外の出費を避けやすくなります。大牟田市で空き家の解体を行う際は、価格と対応力のバランスが取れた業者を選ぶことが、結果的に費用を抑える近道となります。
まとめ:空き家対策と補助金で解体を前向きに
大牟田市では、空き家率・空き家数ともに高い水準が続いており、特に放置空き家の多さが大きな課題となっています。老朽化した空き家をそのままにしておくと、倒壊や景観悪化、近隣トラブルにつながるだけでなく、所有者にとっても管理や税負担が長期化するリスクがあります。
解体費用は建物の構造や立地条件によって差が出ますが、相場を把握したうえで相見積もりを行い、補助金制度を活用することで、費用負担を抑えることが可能です。特に大牟田市は空き家数が多いため、補助制度の有無や業者選びによって、解体費用に大きな差が出やすい地域と言えます。
空き家の解体は、先延ばしにするほど選択肢が狭まり、結果的に費用やリスクが増えやすくなります。活用が難しいと感じた時点で、早めに情報収集を行い、信頼できる業者に相談することが、将来的な負担を軽減するための重要な一歩です。
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