土間コンクリートなど、コンクリートの解体をご検討でしょうか。
コンクリートの解体工事は特殊な機器を使うこともあり、高額になってしまわないか心配と感じている方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、土間コンクリートや鉄筋コンクリート造建物の解体について、解体費用や工事内容など詳しく解説していきます。
土間コンクリートの解体工事
まずは土間コンクリートの解体工事について見ていきましょう。
土間コンクリートとはどのようなもので、解体工事の方法にはどのような方法があるのでしょうか。
土間コンクリートとは?
土間コンクリートとは、地面に砂利や砕石を敷き詰めた上からコンクリートで固めた床のことを指します。
おおむね5cm~10cm程の厚さとなるのが一般的で、より強度を増したい場合にはコンクリート内に鉄筋を入れることも。
一般的な住宅では、玄関に使われることが多い他、玄関からつながっているシューズクロークや、リビングから庭に出るための場所などで使わることがあります。
土間コンクリートの解体工事の工法
土間コンクリートの解体工事では、主に以下のような工法が採用されています。
- クラッシャー工法
- ウォールソー工法
- ウォータージェット工法
- 圧搾工法
それぞれ見ていきましょう。
クラッシャー工法
ダイヤモンドカッターでコンクリートを削っていく工法です。
作業音があまり出なく、狭いところでも作業しやすいことから、玄関などでも採用しやすい工法だといえます。
ウォールソー工法
レールの上にコンクリートを切断するための機械をつけて、レールの家を移動させながらコンクリートを切断する工法。
こちらも狭い場所で作業しやすい他、レールに設置するため直線的に切断できるというメリットがあります。
ウォータージェット工法
高圧水を使ってコンクリートを撤去する工法。
水圧で一気に破壊や撤去を進めることが可能です。
撤去時に無振動で作業を進めることができるため、近隣の方に迷惑がかからない他、対象の構造材や作業者にも優しいといったメリットがあります。
圧搾工法
圧搾機を使ってコンクリートを破壊していく工法。
土間コンクリートに限らず、コンクリートの解体工事でよく使われる工法ですが、ほこりや粉塵が飛散しやすいというデメリットがあります。
工期は1日~2日程度が一般的
土間コンクリート解体工事はそこまで時間のかかるものではなく、1日~2日程度で終わるのが一般的です。
土間コンクリート解体工事単体で行うのであれば、1日あれば十分でしょう。
建物の解体工事と併せて行うような場合では、2日程度かかることもあります。
近隣トラブルにならないよう注意
土間コンクリートに限らず、コンクリートの解体工事は工法次第では騒音や振動につながりやすく、近隣の迷惑となりやすいです。
土間コンクリート解体工事だけであれば1日~2日程度で工事が終わりますが、近隣の方とトラブルにならないよう、事前に挨拶回りなどは済ませておいたほうがよいでしょう。
土間コンクリート解体工事の費用
次に、土間コンクリート解体工事の費用について見ていきましょう。
コンクリートの厚さと鉄筋の有無で費用目安が変わる
土間コンクリートの解体工事費用は、コンクリートの厚さと鉄筋の有無により、おおむね以下のようになっています。
- 厚さ5cm・鉄筋なし:800円/㎡程度
- 厚さ5cm・鉄筋あり:1,200円/㎡程度
- 厚さ10cm・鉄筋なし:1,200円/㎡程度
- 厚さ10cm・鉄筋あり:1,500円/㎡程度
ただし、実際には解体業者によって費用が大きく変わることもある点に注意が必要です。
少しでもお得に解体できるよう、複数の業者で相見積もりを取ることをおすすめします。
鉄筋コンクリート造の解体工事の費用はどのくらい?
土間コンクリート解体費用についてお伝えしてきましたが、ここでは、鉄筋コンクリート造の建物について、解体工事の費用相場などご紹介していきます。
【延床面積別】費用相場
解体工事費用は、立地や個別の状況により変動しますが、構造ごとに概ね以下のような費用を見込んでおくとよいでしょう。
- 木造:3~4万円/坪
- 鉄骨造:4~6万円/坪
- 鉄筋コンクリート造:5~8万円/坪
上記通り、鉄筋コンクリート造の建物の解体費用相場は5~8万円/坪程度です。
これを、単純に延床面積別に並べてみると以下のようになります。
- 延床面積30坪:150万円~240万円
- 延床面積50坪:250万円~400万円
- 延床面積100坪:500万円~800万円
一つの目安として、上記相場を押さえておくと解体工事を依頼する際に役立つはずです。
坪数が大きいほど坪単価を安くしやすい
鉄筋コンクリート造の解体費用について、相場をお伝えしましたが、実際にはいくつかの要素により費用が大きく変動します。
まずは坪数について。
通常、戸建て住宅の解体など比較的小さな建物を解体する場合、20坪~30坪など坪数が小さいとそれだけ坪単価は高くなってしまいます。
これは、工事の規模が変わっても工程自体は大きく変わらず、人件費や解体のための道具を使う費用の費用が、坪数が小さいほど割高になってしまうからです。
このため、坪数の大きな解体工事の方が、坪単価としては安くなることが多くなっています。
アスベストを含む建材がある場合は別途費用がかかる
また、築年数の古いビルの解体の場合、建物内にアスベストが含まれているケースがあります。
この場合、解体工事と併せてアスベストの撤去が必要になり、別途その費用が上乗せされています。
アスベストの撤去費用は、概ね1~8.5万円/㎡(処理面積あたり)程度かかると考えるとよいでしょう。
こちらも、基本的には対象となる面積が大きければ多いほど単価は安くなります。
アスベストの除去費用については、以下記事で詳しく解説しています。
※内部リンク「アスベスト除去費用」
鉄筋コンクリート造の解体工事費用内訳
鉄筋コンクリート造の解体工事費用相場をお伝えしましたが、次にその内訳を見ていきたいと思います。
具体的には、以下の4つに分けて考えるとよいでしょう。
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 搬出費用などのその他費用
- 追加工事
それぞれ解説します。
本体工事費
建物本体の解体工事費用です。
コンクリートを解体していく必要があるため、「圧砕機工法」や「ブレーカー工法」、「転倒工法」などの工法を採用する必要があり、いずれも重機や特殊な機械、技術が必要です。
このため、木造や鉄骨造より解体費用が高くなってしまいます。
圧砕機工法とは
圧砕機工法とは、ショベルカーなどの重機に特殊な設備を取り付けて、鉄筋コンクリートを圧砕していく工法です。
コンクリートの解体工事ではよく使われる工法で、効率よく解体工事を進めていくことができます。
ブレーカー工法とは
ブレーカー工法とは、持ち運びのできる「ハンドブレーカー」や重機の先に取り付けるタイプの「大型ブレーカー」を用いて、機械による打撃力でコンクリートを粉砕する工法です。
部分的な解体や圧砕機が使用できない狭い場所での解体作業に適していますが、騒音や粉塵が発生しやすいというデメリットがあります。
転倒工法とは
転倒工法は高い外壁や柱、煙突などをワイヤーなどで転倒させ、倒した後で細かく粉砕して解体する工法です。
粉塵の飛散量など少なくすることができますが、作業には高度な技術が求められます。
付帯工事費
付帯工事費は本体工事費以外にかかる費用で、メインとなる建物以外の解体、例えばブロック塀や樹木、門や扉などの解体にかかる費用のことです。
工事現場ごとに大きく費用が変動する項目だといえるでしょう。
搬出費用などその他費用
本体工事費用や付帯工事費以外に、搬出費用などのさまざまな諸費用がかかります。
具体的には、以下のようなものが考えられるでしょう。
- 搬出費用
- 保険料(工事中の賠償責任保険など)
- 各種届出費用(解体工事に必要な道路の使用許可などの手続き代行費用)
- 駐車場費用(職人さんの移動に必要な自動車を現場に駐車できない場合など)
追加工事が発生するケース
その他、現場によっては追加工事が発生するケースがあります。
よくあるのが以下3つです。
- アスベスト
- 残置物
- 地中埋設物
アスベスト
先述の通り、建物にアスベストが含まれていた場合、その除去費用が追加で必要になります。
場合によっては数百万円の費用が必要になるケースもあるため、アスベストが含まれている可能性があるのであれば、早めにチェックしておくことが大切です。
ちなみに、アスベストには発じん性(飛散性)によりレベル1~3に分けられ、よりレベルの高い1や2だとアスベストの除去に専門家の立ち合いが必要になります。
残置物
戸建ての解体などで、家の中に家具や家電を残しておくことも可能です。
この場合、解体した家具や家電はコンクリートなどの産業廃棄物と一緒に廃棄できないため、別途費用がかかってしまいます。
地中埋設物
解体工事を進める中で、地中埋設物が発見されるケースがあります。
地中埋設物とは、建物の下に建築廃材や建物の杭・基礎、浄化槽や井戸などのこと。
地中埋設物は土地を掘り起こさないと除去できません。
コンクリートガラが埋まっている程度であれば数万円程度の費用で済みますが、地中に水脈が走っていることが分かったようなケースでは、排水経路を作るなどの措置が必要になり、高額な費用が発生してしまうケースもあります。
最初の見積もりでは分からないものなので、地中埋設物により追加費用が発生する可能性があることは心に留めておくとよいでしょう。
コンクリート解体費用を抑えるポイント
コンクリート解体費用について、おおよその相場や内訳についてお伝えしました。
ここでお伝えしたのはあくまでも相場であり、実際には現場ごとに大きく費用が変わるもの。
中には、少しの工夫で費用を安く抑えられることもあります。
ここでは、そうした、解体費用を安く抑えるポイントとして以下2つをご紹介します。
- 自分で残置物を撤去する
- 複数の業者に相見積もりを取る
自分で残置物を撤去する
解体工事の際、残置物として建物内に家具や家電など残しておくことで、解体業者がそれらの残置物も併せて撤去してくれます。
ただし、残置物の撤去は別途費用がかかってしまうのが一般的です。
少しでも解体費用を安く抑えたいと考えるのであれば、事前に残置物を自分で撤去しておくとよいでしょう。
複数の業者に相見積もりを取る
また、解体業者に見積もりを取る際には、必ず複数の業者に相見積もりを取っておくようにしましょう。
同じ内容の解体工事をするにしても、解体業者ごとに見積もりが変わります。
これには、以下のような理由があります。
- 解体業者の拠点(事務所等)から現場までの距離が異なる
- 解体業者の仕事状況によって見積もりが変わる
それぞれ見ていきましょう。
解体業者の拠点(事務所等)から現場までの距離が異なる
まず、解体業者の拠点から現場までの距離が異なるという点を押さえておきましょう。
解体工事では、重機を使ったり、解体後の廃棄物を搬出したりする必要があることから、立地条件により見積もりが変わってきます。
このため、解体業者の拠点や廃棄先に近い方が費用を安く抑えることができるのです。
解体業者の仕事状況によって見積もりが変わる
また、同じ解体業者であっても、見積もりを取るタイミングによって見積もりが変わることもあります。
解体業者が同じタイミングで複数の仕事を請け負っている場合、他の仕事を調整するなどしてスケジュールを確保しなければならないことがあるでしょう。
こうしたケースでは、通常より高い見積もりの提示を受けることがあります。
逆に、たまたまスケジュールが空いていたといったケースでは、通常より安い価格で仕事を依頼できることもあります。
このケースでは、解体業者は競合他社に負けないよう、多少値引きした金額を提示するといったことが考えられるでしょう。
こうした理由で、同じプロであっても解体業者ごとに見積もりが異なるのはもちろん、仮に同じ業者であっても見積もりを取るタイミング次第で工事費用が異なることがあります。
少しでもよい条件で解体工事を依頼できるよう、複数の業者に相見積もりを取ることが大切です。
コンクリート解体費用に関する5つの注意点
最後に、コンクリート解体費用について、注意しておきたいポイントをご紹介していきます。
追加工事に注意
解体を依頼する側としても、当初の見積もりより必要な費用が多くなる追加工事はできるだけ避けたいもの。
解体工事で追加工事が発生する代表的な例として、地中埋設物が挙げられます。
中には、「解体工事の途中で地中埋設物が見つかったので、追加費用を請求します」などと、工事が終わってから連絡してくる業者もある点には注意しなければなりません。
こうしたことを防ぐ方法として、見積もりの段階で地中埋設物が見つかったときの対応を決めておくとよいでしょう。
例えば、「地中埋設物が見つかった場合にはあらかじめ電話で確認すること」などと文言を入れておくのが一つの方法です。
見積もりの「一式」は中身を確認しておこう
解体業者によっては、見積もりを提示する際に「一式」として工事内容の詳細を書かないケースもあります。
具体的な内容が分からないままだと、他社と比較することができません。
見積もりの提示を受けた段階で、「一式」という記述があったら、詳細な内容を含めた見積もりを提示してもらうよう、打診されることをおすすめします。
業者が不法投棄していないかよく注意する
建物を解体して出た産業廃棄物は、一般家庭から出るゴミとは違う方法で適切に処分しなければなりません。
しかし、産業廃棄物の処分にはコストがかかるため、悪質な業者になると不法投棄してしまうケースがあります。
不法投棄は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で禁止されている行為であり、罰則があります。
仮に、施主が不法投棄をすることを知りながら発注したようなケースでは、施主にも責任が及ぶケースがあるため、絶対に依頼してはいけません。
足場や養生の有無を確認しておく
解体工事の見積もりを受ける際には、足場や養生の有無も確認しておきましょう。
足場や養生も、省くことでそれにかかるコストを削減できます。
不法投棄とは異なり、省いたからといって犯罪ではありませんが、事故や近隣トラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。
消費税表示の有無を確認しておく
解体業者によっては、見積もりの額が税抜き表示になっているケースがあります。
解体工事は数百万円になることも多く、消費税の有無で総額には大きな違いが出てしまいます。
なお、解体業者の提示する見積もりが税抜き表示になっていたからといって、違法ではありません。
消費税の表示については、以下記事で詳しく解説しているので、参考になさってください。
参考:見積金額の税抜き表記は違法ではないですか?
まとめ
土間コンクリートと鉄筋コンクリート造建物の解体費用について、解体費用相場や内訳、解体を依頼するときのポイントや注意点などご紹介しました。
解体工事の費用にはおおよその相場はありますが、実際には依頼する業者や現場の立地条件などにより費用が異なります。
具体的にどのくらいの費用が必要になるかについては、実際に解体業者に見積もり依頼を出すのが一番です。
その際、業者によって、またタイミングによって見積もりの額が大きく変わる可能性があるため、必ず複数の業者に相見積もりを出すようにしましょう。
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