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古民家解体にかかる費用、補助金制度や注意点を徹底解説!

古民家を所有しているとメンテナンス対応が必要で、毎年固定資産税もかかり続けます。

「解体して更地に整えて売却したい」方が少なくありません。

ただ、古民家解体にも費用がかかりますし、現代的な工法の家屋とは異なるため注意しなければならないポイントもあります。

古民家解体にかかる費用の相場や利用できる補助金制度、知っておくべき注意点を解説します。

古民家を所有していて解体を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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1.古民家とは

古民家とは現代的な工法を使っておらず日本の伝統的な工法で建てられた木造住居の建築物をいいます。たとえば釘を使わずに柱や梁を組み立てたような建物は典型的な古民家です。反対に鉄筋コンクリートや鉄骨造りの家、木造であっても2×4(ツーバイフォー)など現代的な工法を使った建物は古民家とはいいません。

ただし古民家に「築何年以上」などの明確な年数による定義はありません。築100年であっても工法によっては古民家と呼べないケースもあります。一般的には、概ね「築50年」以上が経過していて木造建築で伝統的な工法が施されていれば、古民家とよばれるケースが多いでしょう。

「古民家」と「古家」の違い

古民家と古家には違いがあります。

古家は、築年数が経過して住宅としての機能をほとんど失い資産価値がほぼなくなった建物です。古家の場合、鉄骨や鉄筋コンクリート造りであったり現代的な工法が施されていたりするものもあります。

一方、古民家の場合、伝統的な建築方法が適用された木造住宅に限られます。住宅としての機能や資産価値を残しているものもあり、単なる古家とは異なります。

2.古民家解体にかかる費用

古民家を解体すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

古民家には伝統的な工法が施されていて古い木が使われているため、「一般住居より解体費用が高くなるのでは?」と心配される方もおられるでしょう。

実は古民家だからといって解体費用が極端に高額になるわけではありません。個別的にはエリアや前面道路の幅などの条件によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • 1坪あたり3~5万円
  • 30坪で100万円~120万円
  • 50坪で150万円~200万円
  • 100坪で300万円~350万円

なお家の解体費用についてはこちらの記事にまとまっていますのでよければご参照ください。

>>家 解体費用

>>解体費用坪単価

>>空き家解体費用

>>家解体費用30坪

地域によっても異なる解体費用

解体費用の相場は都道府県など地域によっても異なります。一般的には都会になると地方より解体費用が高額になる傾向がみられます。

参考相場(木造2階建てで重機、4tトラックを使用して解体する場合)

エリア坪単価の相場
北海道・東北地方26,000~32,000円
東京都心エリア35,000~42,000円
北関東エリア25,000~30,000円
神奈川・埼玉・千葉30,000~37,000円
愛知県など中部地方27,000~32,000円
大阪、京都、神戸など近畿地方29,000~35,000円
中国・四国地方28,000~34,000円
九州地方22,000~26,000円

古民家の解体費用が高額になるケース

古民家の解体費用は以下のような場合に高額になります。

車両が入り込みにくい場所

重機や廃材運搬用車両が入り込みにくい場所に家があると、人の手作業が必要になるためコストがかかります。たとえば高い場所に一軒だけぽつんと建っている場合、袋地になっていて中に入りにくい家、面している道路が狭い家などです。

作業人数が多い

解体工事に必要な人数が多くなるとその分人件費がかさむので、割高になります。

かといって人手を無理に減らすと結局工期が延びて費用がかさむ可能性があります。

付帯工事が多い

古民家を解体するときには、本体建物の解体だけではなく「付帯工事」が必要となるケースがあります。たとえば屋内に多数の家財道具が残されていたら処分しなければなりません。

庭に大きな木があればクレーン車を出動させて伐採や抜根をしなければならないでしょう。

付帯工事費は本体建物の解体費用とは別途かかるので、付帯工事が多くなれば全体的な費用が高額になります。

特に古民家の場合、庭園部分が広く庭石や灯籠、池や樹木、立派な玄関などがあるものも多く、撤去に手間がかかりやすいので要注意です。

古材を売却する

古民家に使用されている古材は売却できるケースがあります。ただし売るためには古材を傷つけないように取り外さねばなりません。すると慎重な手作業が増えるため、コストが上がります

隣家との距離が近い

家が密集していて隣家との距離が近い場合には、解体工事の際に隣家に迷惑をかけないよう対策しなければなりません。たとえば騒音や振動、粉塵を防ぐために養生シートを設置しなければならず、追加料金が必要となる可能性があります。

古民家解体にどのくらいの費用がかかるか知りたい場合、まずは解体業者を探して相談し、見積りをとってみましょう。

解体費用の見積書の見方や注意点についてはこちらの記事にまとまっています。

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3.古民家解体で利用できる補助金制度

古民家解体の際、補助金を適用できる可能性があるのでぜひ知っておきましょう。

全国の自治体で、老朽化した家屋の解体時に支給される補助金制度が用意されています。

名称は各自治体によってさまざまです。

  • 老朽危険家屋解体補助金
  • 空き家解体補助金
  • 改定撤去費助成金
  • 老朽空き家対策補助金

まずは建物のある市町村の役所へ「古民家解体に適用できる補助金制度はありませんか?」と相談してみましょう。

助成金額

古民家解体の補助金額も各自治体によってまちまちです。

おおむね工事に要した金額の3分の1~2分の1程度で、上限額が30~50万円程度とされる自治体が多いでしょう。

また昭和56年5月以前に着工された建物であること、1年以上空き家になっていること、自治体内の解体業者に発注すること、一部の腐朽や破損があることなど、自治体によってさまざまな条件が課されます。

補助金を申請できるタイミング

老朽化した古民家解体の補助金を申請するタイミングは「解体工事着手前」でなければなりません。

すでに解体してしまったら、後に補助金を申請しても適用できないので注意が必要です。

解体前に役所に事前相談をして現地調査を行い、審査があった後に補助金の支給が決定されます。少し時間がかかるので、補助金を適用したい場合にはスケジュール的に余裕をもって解体手続きを進めましょう

老朽危険家屋解体撤去補助金についてはこちらの記事に詳しくまとまっています。

>老朽危険家屋 解体撤去補助金の記事にリンク

4.古民家を解体する手順

古民家を解体する手順をご説明します。なお古民家を自分で解体するのは困難なので、解体業者に依頼する前提です。

STEP1 解体業者へ相談

まずは解体業者を探して古民家の場所や状況を伝え相談しましょう。

解体費用の見積書を発行してもらってください。複数業者に見積り依頼しても構いません

STEP2 見積書の検討と業者選定

見積内容を検討し、発注先の解体業者を選定しましょう。

費用や工期等の詳細が煮詰まったら契約書を作成します。

STEP3 補助金の申請

補助金を受け取りたい場合、着工前に自治体へ申請しましょう。

STEP4 近隣住人への挨拶

工事着工前に近隣の人へ挨拶をしましょう。解体業者が行ってくれるケースが多数です。

STEP5 工事着工

解体工事に着工します。途中で問題が起こったら業者から連絡があって対応が必要となる可能性もあります。

STEP6 解体完了、建物滅失登記

解体工事が完了したら、建物がなくなったことを登記上も明らかにしなければなりません。

放っておくと建物がないのに登記上「建物があるような外観」になって混乱が生じます。

建物がなくなったことを示す登記を「建物滅失登記」といいます。解体業者が司法書士を手配してくれるケースもありますが、手配してもらえない場合、自分で登記するか司法書士を探して依頼しましょう

 

5.古民家解体の際の注意点

古民家を解体するときには以下の点に注意が必要です。

 

古材を売れるケースがある

古民家を解体すると廃材が出ますが、古民家の廃材は一般住居と違い高く売れる可能性があります。単純にリサイクルに回すより経済的メリットを得られるケースがあるので、事前に古材買取業者に見積もりをとるとよいでしょう。

ただしすべての古民家の古材が高く売れるわけではありません。高い値段がつきやすいのは、釘を使わずに柱や梁を組み上げた日本の伝統的な工法によって建築された建物、築年数でいうと80年以上になっている古民家などです。

こうした古民家には現代住宅とは比較にならない「太い木材」が使用されていて、高く売れる可能性があります。

なお古材を売るためには解体の際に傷つけないように慎重に対応しなければならず、手間がかかります。その分解体費用自体は高額になってしまうため、一定以上の金額で売れないとコスト的に損失となります。

古材を売るかどうかは事前に買取業者や解体業者の見積もりをとって計算のシミュレーションを行って判断しましょう。

古民家を解体すると固定資産税が上がる

古民家を解体すると、底地の固定資産税が上がる可能性があります。

土地上に建物がある場合、固定資産税の軽減措置が適用されるので税額が6分の1に減額されています。ところが古民家がなくなって更地になると軽減措置が適用されないため土地にかかる税額が上がってしまうのです。

確かに建物の固定資産税は払わなくて良くなりますが、もともとの建物の固定資産税額が少額だった場合、かえって全体にかかる税額が高くなってしまう可能性があります。

古民家を解体して更地にするなら、土地を売却する、貸地にして収益を得る、別の建物を建てて活用するなど何らかの対応を考えておきましょう。

アスベストが出る可能性

古民家を解体する際には「アスベスト」が排出される危険性があるので注意しなければなりません。アスベストとは、肺に有害な影響を与える物質です。禁止されているので今の建物には使われていませんが、古民家の廃材には含まれている可能性があります。

解体業者に依頼したらアスベスト処理もきちんと行ってもらえますが、自己判断で解体するとアスベストを吸い込んで健康被害を受けるリスクが発生します。

その意味でも古民家解体は必ず業者に依頼すべきといえるでしょう。

古民家を解体するときには相場価格を知り、見積もりをとって適正な解体業者へ発注しましょう。ぜひ参考にしてみてください。

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