親から田舎の家を相続したものの、解体すべきかどうか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。家は、売却や運用をしなければお金を生み出すことはなく、維持には固定資産税や管理コストがかかるため、早期に解体してしまう人もいます。解体には費用がかかるので、解体するかどうか決める際は必ず確認しておきましょう。ここでは、相続した田舎の家を解体するかどうか判断するポイントや解体費用などについて詳しくご紹介します。
相続した家はまず何を決めるべきか
相続した家について考えるとき、いきなり「解体するかどうか」を決める必要はありません。
まずは、次の4点を整理することが重要です。
① その家に「住む予定」があるか
自分や家族が将来的に住む可能性がある場合、すぐに売却や解体を判断する必要はありません。
一方で、住む予定がまったくない場合は、早めに処分や活用方法を検討しないと、管理負担だけが増えていきます。
② 売却できる可能性があるか
田舎の家でも、立地や状態によっては売却できるケースがあります。
ただし、築年数が古い、再建築不可、需要が少ない地域の場合は、売れるまでに長期間かかる、または売れない可能性も考慮しなければなりません。
③ 共有名義になっていないか
相続した家が兄弟姉妹などとの共有名義になっている場合、売却・解体・賃貸といった重要な判断は共有者全員の同意が必要です。
意見がまとまらないと、何も決められず放置状態になるケースも少なくありません。
④ 管理できる距離・環境か
相続した家が遠方にある場合、定期的な管理は大きな負担になります。
通気・清掃・庭の手入れを怠ると、老朽化が進み、近隣トラブルにつながる恐れもあります。
相続した田舎の家を放置する問題点
田舎の家であっても、自宅とは別に家があることに安心感を覚える方は多いのではないでしょうか。だからといって田舎の家を放置すると、トラブルが起きる恐れがあります。相続した田舎の家を放置する問題点について、詳しく見ていきましょう。
老朽化によるトラブル
田舎の家を放置すると、老朽化によるトラブルが起きる恐れがあります。老朽化した建物は、いつ倒壊するかわかりません。もし、倒壊すれば隣の家の外壁を傷つけてしまったり、道路に木材が散乱したりする恐れがあります。その結果、損害賠償責任を負うことになる可能性も否定できません。
また、見るからに老朽化した家が放置されている場合は、近隣住民から苦情が入るでしょう。
不法侵入されるリスクがある
放置した空き家は、不法侵入されるリスクがあります。金品がないからといって十分なセキュリティ対策を行わないでいると、知らない人が住み着いてしまうリスクもあるでしょう。また、人がいないことを知った人物が放火する可能性も否定できません。
犯罪に利用されたり、家の品質を著しく損ねる犯罪行為の被害にあったりする可能性がある以上は、放置しない方がよいと言えます。
管理コストがかかる
相続した家は、倒壊や雨漏り、動物の棲みつきなどを防ぐために、維持管理が必要です。定期的に家に行き、トラブルが起きていないか確認し、必要に応じて対処しなければなりません。もし、遠方の田舎であれば、休日を返上して管理が必要となり、維持するメリットに対してデメリットが大きくなるでしょう。
管理を業者に委託するとしても、依頼費用が発生します。管理コストと田舎の家を残すメリットを比較して、解体すべきかどうか検討しましょう。
固定資産税がかかる
固定資産税は、その家に誰も住んでいなくても納税しなければなりません。
固定資産税は、固定資産税評価額×1.4%で計算するため、固定資産税評価額が高くなればなるほどに納税額も高くなります。ただし、200平方メートルまでは課税標準額が6分の1、200平方メートルを超えた部分は3分の1になる特例が設けられています。
そのため、管理コストがかかるからといって家を解体すると、固定資産税がかえって高くなるのです。どちらの方がトータルコストを抑えられるか計算しましょう。また、2014年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、下記の条件を満たす空き家は「特定空き家」となり、固定資産税の特例が適用されなくなります。
- 放置すると倒壊する恐れがある
- 適切な管理ができていないために景観を著しく損ねている
- 周辺の生活環境を保全するうえで空き家の放置が不適切だと認められる
そのため、上記の条件を満たす場合には、解体してしまった方がコストを抑えられると考えられます。実際にコストを抑えられるかどうか知りたい場合は、不動産鑑定士や自治体の担当者、税理士など各専門家に相談しましょう。
相続した家に住むという選択肢は現実的か
相続した家について考える際、「せっかくなら自分が住めばいいのでは」と考える方は少なくありません。
しかし、田舎の家や実家の場合、感情だけで判断すると後悔しやすい選択肢でもあります。
相続した家に住むかどうかは、次のポイントを冷静に整理することが重要です。
相続した家に住む場合の判断ポイント
| 判断項目 | 確認すべき内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 立地・生活環境 | 通勤・通学・買い物が可能か | 車が必須な地域が多い |
| 建物の状態 | 修繕なしで住めるか | 老朽化していると大規模改修が必要 |
| 初期費用 | リフォーム・引っ越し費用 | 数百万円かかるケースもある |
| 将来性 | 長期間住み続けられるか | 数年後に再び空き家になる可能性 |
| 管理負担 | 維持管理を続けられるか | 放置するとトラブルになりやすい |
リフォーム費用が想像以上にかかるケースが多い
築年数が古い家の場合、水回りや耐震、断熱性能の問題が見つかることが少なくありません。
「家賃がかからない」というメリットがあっても、住むための初期費用が大きな負担になるケースがあります。
相続した家に住む判断は慎重にすべきケース
次のような場合は、住む選択肢を前提にせず、他の方法も検討した方がよいでしょう。
- 生活インフラが整っていない
- リフォーム費用が高額になりそう
- 将来的に住まなくなる可能性が高い
一時的に住んでも、再び空き家になる可能性
転勤や家族構成の変化により、数年後に住まなくなることも珍しくありません。
その場合、結局また空き家として管理や処分に悩むことになります。
相続した家に住むことは一つの選択肢ですが、生活環境・費用・将来性を整理したうえで判断することが不可欠です。
相続した田舎の家の利用方法
相続した田舎の家は、運用すれば利益を生み出せる可能性があります。相続した田舎の家の利用方法について、詳しく見ていきましょう。
不動産運用に利用する
田舎の家をリフォームするか、古民家として賃貸物件化する方法があります。本来、土地と建物を購入して賃貸物件として貸し出すため、相続した田舎の家を利用すれば初期費用を抑えられます。ただし、リフォーム費用や不動産仲介業者との契約、管理会社との契約などに初期費用がかかります。
家賃収入を管理コストや固定資産税に充当できる可能性がありますが、必ずしも成功するとは限りません。特に、周辺環境が悪い場合、借り手がなかなか見つからず管理コストがかさむリスクが高いでしょう。
宿泊施設へ改装する
宿泊施設に改装して、運営する方法があります。ただし、運営には人員を雇う必要があるため、不動産運用よりもリスクが高い方法と言えます。周辺に観光地はあるか、宿泊施設として需要はあるかなど、事前の調査が非常に重要です。宿泊施設として成功できれば、安定した収入を得られるでしょう。
田舎の家の処分方法
田舎の家を処分する場合、解体、寄付、売却のいずれかを選ぶことになります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
田舎の家が売れないケースとその理由
相続した家は「売ればいい」と思われがちですが、田舎の家は想像以上に売れないケースが多いのが現実です。
売却を検討する前に、売れにくい理由を把握しておくことが重要です。
田舎の家が売れない主な理由
| 売れない理由 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 立地の問題 | 人口が少なく需要がない | 問い合わせ自体が来ないことも多い |
| 建物の老朽化 | 築年数が古く住めない | 解体前提で敬遠されやすい |
| 再建築不可 | 建て替えができない | 資産価値が大きく下がる |
| 管理状態が悪い | 雑草・破損・雨漏り | 内覧時の印象が非常に悪い |
| 価格設定が合わない | 相場より高い | 値下げしても売れないことがある |
都市部と違い、田舎では買い手の絶対数が少ないため、売りに出しても長期間売れ残ることがあります。
その間も、固定資産税や管理費用はかかり続けます。
田舎の家は、「売る」という選択が必ずしも最善とは限りません。
売れないと判断した場合は、解体や相続放棄も含めて検討する必要があります。
解体する
家を解体する際は、解体業者に依頼する必要があります。家の前の道幅が十分にある場合は重機を使用し、重機を搬入できない場合は手作業で解体します。重機よりも手作業の方が人件費が高く、工期も多くかかります。
家を解体すると更地になりますが、新たに建物を建てることができなくなる可能性がある点に注意が必要です。当時の建築基準法では問題がなかったものの、現行の建築基準法では建物を建てると違法になるケースがあります。再建築不可の土地は売却も難しいため、解体前に再建築できるかどうか確認しましょう。
寄付する
自治体によっては、家や土地の寄付を受け付けています。必ず寄付できるわけではなく、自治体が定める基準を満たしている必要があります。また、現状がわかる写真、登記事項証明書などの書類や資料も必要です。
現状としては、自治体への寄付が認められる可能性は低いでしょう。これは、自治体が管理すると固定資産税の徴収額が減り、管理コストもかかるためです。
売却する
建物を売却する方法には、不動産会社に仲介してもらい個人に売却する方法と、不動産会社に買い取ってもらう方法があります。不動産会社に買い取ってもらう場合、比較的早く売却が進む一方で、売却額が低くなります。
不動産会社に仲介してもらい個人に売却する場合は、売却までに長い時間がかかる可能性があります。また、老朽化が進んでいたり現代にそぐわないデザインであったりする場合は、リフォームも必要になるでしょう。リフォームが必要な場合、結果的に解体した方がコストを抑えられる可能性があります。
田舎の家を相続したくない場合の選択肢
田舎の家を相続するにあたって、「正直いらない」「管理できない」「負担が大きい」と感じる方は少なくありません。
このような場合、相続したあとに処分する以外にも選択肢があります。
相続放棄という方法
相続放棄をすると、田舎の家や土地を含むすべての相続財産を引き継がないことになります。
借金などのマイナス財産も相続しなくて済む点はメリットです。
ただし、次の点には注意が必要です。
- 相続開始を知ってから原則3か月以内に手続きが必要
- 家や土地だけを選んで放棄することはできない
- 一度放棄すると原則として撤回できない
「とりあえず相続してから考える」という判断は、
相続放棄ができなくなる原因になるため注意しましょう。
国や自治体に引き取ってもらうことはできる?
「使わない土地は国に返せる」「自治体が引き取ってくれる」といった情報を見かけることがありますが、実際に自治体が家や土地を無条件で引き取るケースはほとんどありません。
管理コストや固定資産税の問題があるため、立地や状態が悪い田舎の家は、寄付を断られるのが一般的です。
田舎の家を相続したくないと感じた場合は、相続放棄・売却・解体のどれが現実的かを早めに整理することが重要です。
放置してしまうと、選択肢が狭まる点には注意しましょう。
相続した家を売るときの税金と確定申告
相続した家を売却する際、「相続だから税金はかからない」「確定申告は不要」と思われがちですが、
売り方や状況によっては税金や確定申告が必要になります。
ここでは、最低限知っておくべきポイントだけを整理します。
相続した家を売ると税金がかかるケース
相続した家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得は、次の計算式で求められます。
売却価格 −(取得費+譲渡費用)= 譲渡所得
この金額がプラスになれば、課税対象となります。
税金がかからない、または軽減されるケース
相続した家の売却では、次のような特例が使える場合があります。
- 取得費加算の特例
- 相続空き家の3,000万円特別控除(条件あり)
これらの特例を使うことで、税金がかからなくなる、または大幅に軽減されるケースもあります。
ただし、適用には細かい条件があるため、自己判断は危険です。
確定申告が必要になるケース
次のような場合は、確定申告が必要です。
- 売却によって利益が出た場合
- 特例を利用する場合
- 売却によって損失が出た場合でも、申告で有利になるケース
「税金がかからないから申告しなくていい」と思い込むと、
本来使える特例を逃してしまうこともあります。
税金を理由に判断を先延ばしにしない
税金や確定申告は複雑に感じますが、それを理由に家の処分を先延ばしにすると、管理負担や固定資産税が増えるだけです。
実際には、不動産会社や税理士に相談すれば、売却前におおよその税金を把握することは可能です。
相続した家の売却では、税金よりも「いつまで保有し続けるか」の判断の方が重要になるケースも少なくありません。
相続した田舎の家を解体する判断基準
相続した田舎の家を解体すべきかどうか迷う方が多いのではないでしょうか。次の条件を満たす場合は、解体を前向きに検討した方がよいでしょう。
空き家の運用を行わない
相続した田舎の家を不動産運用や宿泊施設に利用しない場合は、解体した方がよいでしょう。特に、築年数が古く、老朽化が進んでいる家であれば、解体がベストな選択肢と考えられます。売却するにしても、リフォームしなければ買い手がなかなか見つからないものです。また、買い手が見つかるまでに時間がかかりすぎると、管理コストや固定資産税がかさみます。
そうなる前に解体してしまった方がよいでしょう。ただし、再建築不可の場合、解体すると駐車場ぐらいしか利用方法がなくなるので、コストをかけても不動産運用や売却を選択した方がよいかもしれません。再建築不可の土地は買い手がつきにくく、特に田舎は駐車場の需要に乏しいので、土地だけが無駄に残ってしまう恐れがあります。
治安が良くない
周辺の治安が悪い場合は、空き家が犯罪の被害にあうリスクが高まります。被害にあう前に、解体した方がよいかもしれません。監視カメラをつけるのも1つの方法ですが、十分な抑止力にならない可能性もあります。治安が良くても安心はできませんが、治安が悪い場合は一刻も早く解体するかどうか決断すべきと言えるでしょう。
管理コストや固定資産税が高い
管理コストや固定資産税が高い場合は、なるべく早く解体した方がよいでしょう。不動産運用や宿泊施設に利用する場合、収益を管理コストや固定資産税に充当することで、支出を抑えられます。しかし、空き家のまま放置する場合は、支出がかさむ一方です。
早期に解体すれば、それだけ支出を抑えられます。
田舎の家の解体費用
解体費用の一般的な計算方法は、「坪単価×延べ床面積」です。坪単価は1坪あたりの費用のことで、木造は40,000~50,000円、鉄骨造は60,000~70,000円、RC造・SRC造は60,000~90,000円が相場です。延べ床面積は、建物全体の面積のことを指します。例えば、1階部分が50坪、2階部分が30坪の場合、延べ床面積は80坪です。
坪単価40,000円で延べ床面積が80坪の場合、解体費用は320万円となります。また、カーポートや倉庫の撤去、樹木の伐根などが必要な場合、別途費用がかかります。
田舎の家を解体するときによくあるトラブル
田舎の家を解体する際は、次のようなトラブルが起こりがちです。
現地の解体業者を探すのに手間がかかる
田舎の家が別の都道府県の場合、現地に対応している解体業者を探す必要があります。直接会って話すのにも時間と手間がかかるため、依頼する業者を慎重に選ぶことが難しいでしょう。作業の質や対応が悪く、不正に料金を請求する悪質な業者に依頼してしまうリスクが高まります。
近隣住民から苦情があったときに対応が難しい
解体工事に関して近隣住民から苦情があった場合、必要に応じて施主が対応します。専門的な内容への対応は業者に任せることになりますが、謝罪の言葉は施主が伝えた方がよいでしょう。しかし、別の都道府県に住んでいる場合、苦情が入る度に現地に行くことは現実的ではありません。
電話で謝罪するだけで済むケースもあれば、直接謝罪した方がよいケースもあるでしょう。このように、解体工事中の苦情への対応が難しいことを把握しておくことが大切です。
共有財産としている親族から苦情が入る
複数の被相続人がいる場合、無許可で解体するとトラブルになる恐れがあります。そもそも、共有者全員の許可なく解体することはできません。1人でも解体に反対した場合は解体できないので、早めに話し合っておくことが大切です。
もし、現時点で相続していないのであれば、相続後の利用方法も含めて被相続人で話し合った方がよいでしょう。
田舎の家の解体を依頼する業者は一括見積りサービスで探そう
自宅と田舎の家が離れている場合、現地の解体工事に対応している業者を探す必要があります。現地の周辺にある解体業者を1件ずつ訪ねると、非常に長い時間がかかります。そこで利用したいのが解体工事の一括見積もりサービスです。
一括見積もりサービスでは、複数の解体業者から一括で見積もりを取得できます。利用すれば、現地の解体業者を1件ずつ回る必要がなくなります。解体工事の一括見積もりサービスを利用する際は、運営元の信頼性や対応力などを確認しましょう。運営会社のページには、業者の選定方法や仕組みなどが記載されています。悪質な業者が登録している一括見積もりサービスを利用しないよう注意が必要です。
まとめ
相続した田舎の家を解体すべきかどうかは、家を運用するかどうかや周辺地域の治安など、さまざまな観点から検討することが大切です。解体した方がよいと判断した場合は、早めに業者を探しましょう。一括見積もりサービスを利用すれば、現地に行くことなく複数の業者から見積もりを取ることができます。
解体工事の一括見積もりサービスの「くらそうね」は、信頼性が高い解体業者から一括で見積もりを取ることができるサービスです。家の情報を入力・送信するだけで一括見積もりを取れるので、忙しい方も田舎の家の解体をスムーズに進められます。相続した田舎の家を解体する際は、利用してみてはいかがでしょうか。
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