福岡市では空き家率8.44%、空き家数は79,700戸にのぼります。空き家が存在する中で、将来的な管理や活用を検討した結果、解体という選択肢を考える方も少なくありません。
ただし解体費用は数百万円規模になることもあり、事前に総額感や補助金制度を把握することが重要です。
本記事では、福岡市の空き家状況、解体費用相場、補助金制度、費用を抑える方法までを整理します。
福岡市は今「空き家」が増えている?
福岡市で空き家を所有している場合、「自分の状況は特別なのか」「市全体ではどの程度あるのか」を把握することが重要です。
まずは最新データから、市全体の空き家状況を確認します。
最新の空き家率データ
ここでは、福岡市の空き家率と放置空き家の実数を整理します。数字を把握することで、自分の判断が過剰でも軽視でもないことを確認できます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 空き家率 | 8.44% |
| 空き家数 | 79,700戸 |
| 放置空き家率 | 1.41% |
| 放置空き家数 | 13,300戸 |
| 住宅総数 | 944,000戸 |
福岡市では約12戸に1戸が空き家という状況です。
また、そのうち13,300戸は放置空き家に該当します。
「空き家をどうするか」と悩む状況は決して珍しいものではなく、一定数の所有者が同じ課題に直面していることが分かります。
なぜ空き家が増えているのか
ここでは、福岡市で空き家が発生する背景を整理します。
理由を知ることで、自分の空き家が今後どうなる可能性があるのかを判断できます。
福岡市は人口規模が大きく住宅総数も多い都市ですが、区ごとに住宅特性が異なります。
再開発が進むエリアと、戸建て住宅が多い地域が混在しているため、空き家の発生要因も一様ではありません。
空き家が発生する流れは次のように整理できます。
- 相続などで住宅を取得する
- 住む予定が決まらない
- 維持管理のみ継続する
- 活用・売却の判断がつかない
- 老朽化が進み、解体を検討する
福岡市では木造戸建住宅が多い地域もあり、築年数が経過した住宅は維持費や修繕費がかかります。また、中心部では再開発により建替え需要が発生する一方、郊外では利用予定が定まらないケースも見られます。
空き家は突然「解体」になるわけではなく、一定の検討期間を経て判断されます。
そのため、今の段階で解体費用や制度を把握しておくことが、後の選択肢を広げることにつながります。
福岡市の補助金制度
解体を検討する際に重要なのは「総額でいくらかかるのか」です。
解体費用は数百万円規模になることもあり、自己負担額が大きくなります。そこで判断材料になるのが補助金制度です。補助金の有無によって、実際の支払額が変わるためです。
福岡市では、老朽危険家屋や条件に該当する住宅に対して補助制度が用意されています(年度・条件により内容は異なります)。
福岡県 福岡市 の補助金情報
福岡市木造戸建住宅耐震建替費補助事業
| 事業・条令名 | 福岡市木造戸建住宅耐震建替費補助事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | 耐震診断の結果「倒壊する可能性が高い」と判定された木造戸建住宅の耐震改修工事に代わり建替工事を行う方に対し、その建替費用の一部を補助する事業(福岡市木造戸建住宅耐震建替費補助事業)を実施しています。 |
| 対象建築物の概要 | 対象の住宅が次のすべての条件を満たすこと(1・2は既存建物について、3は新築する建物についての要件、4は共通) 1.既存建物について、昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工した、2階建て以下の木造戸建住宅であること 2.既存建物について、耐震診断(※)の結果「倒壊する可能性が高い(耐震診断調査票で一見して倒壊の危険性があると判断できる、もしくは壁の割合が0.8未満又は建防協基準で上部構造評点0.7未満)」と判定されたもの 3.新築する住宅が「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(改正含む)」に規定する基準を満たすこと。 4.「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(改正含む)」に規定する「土砂災害特別警戒区域」内に存しないこと。 ※下記のいずれかの方法による耐震診断がなされたもの ・耐震診断調査票で一見して倒壊の危険性があると判断できる、もしくは壁の割合が0.8未満 ・建防協基準で上部構造評点0.7未満 ・申請者が既存建物1棟をすべて除却し、当該地において新築する者(所有者又は所有者の2親等以内の親族を含む)であること |
| 補助金額概要 | 補助金額は、1戸につき20万円です。(ただし、一定の要件を満たす場合、30万円を上限として加算有り。) また、代理受領制度が活用できます。 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 住宅都市みどり局建築指導部建築物安全推進課 |
福岡市ブロック塀等除却費補助事業
| 事業・条令名 | 福岡市ブロック塀等除却費補助事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | 福岡市は道路に面している危険なブロック塀等の除却費用の一部を助成する事業を実施しています。 ※事前に必ず下記の問い合わせ先までご相談ください。 |
| 対象申請者 | ブロック塀等の所有者または管理者で除却工事を行う者 |
| 対象建築物の概要 | 下記1~3の、道路に面して設けられているブロック塀等が対象です。 1.高さが2.2mを超えるコンクリートブロック塀 2.高さが1.2mを超えるコンクリートブロック塀で、控え壁が有効に設けられていないもの 3.概ね高さ1m以上のブロック塀で、調査により著しいひび割れ又は傾きが認められ、特に危険な状態にあるもの ※なお、ブロック塀等とは、コンクリートブロック造、石造、れんが造その他組積造による塀(フェンスなどとの混用の場合も含む)です。 |
| 補助金額概要 | 除却するブロック塀等の長さに5,000円を乗じた額と、除却に要する費用(見積もり)の2分の1に相当する額を比較し、どちらか低い額を助成します。ただし、1件あたり15万円が上限となります。 ※既に工事契約をした場合や、工事を開始・完了した場合は、この事業の対象となりませんのでご注意ください。 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 住宅都市みどり局建築指導部建築物安全推進課 |
福岡市民間建築物吹付けアスベスト除去等対策事業
| 事業・条令名 | 福岡市民間建築物吹付けアスベスト除去等対策事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | アスベストが原因と見られる健康被害が大きな社会問題になっていることから、福岡市では、アスベストの飛散による市民の健康被害を予防し、良好な生活環境の保全を図ることを目的に、民間建築物の所有者等が行うアスベストの分析調査及び除去等工事にかかる費用を補助するものです。 |
| 対象事業・工事の概要 | 【分析調査事業】 吹付けアスベストが施工されているおそれのある建築物 【除去等事業】 吹付けアスベストが施工されている建築物 |
| 対象申請者 | ・補助対象建築物の所有者又は共同住宅(分譲マンション等)の管理組合などの代表者 ・分析調査事業及びアスベスト除去等事業に関し、他の補助金等を受けていないこと。 ・市税の滞納がないこと。 ・大規模の事業者でないこと。(中小企業基本法第2条第1項第1号から第4号に定められている、資本金の額又は出資の総額及び常時使用する従業員の数を超えてその事業を営むものとする。) |
| 対象建築物の概要 | ・当該建築物の除却の予定のないこと。 ・建築基準法が適用される増改築等の予定のないこと。 ・多数の人が利用する建築物(多数の人が共同で利用する部分で、附属の機械室等を含む) ※例えば、店舗、事務所、共同住宅(共用部分に限る)、駐車場などの建物です。 |
| 補助金額概要 | 【分析調査事業】 ・アスベストを含んでいる可能性のある吹付け材について行う分析調査であり、建築物石綿含有建材調査者により行われる同調査を補助対象とします。 (建築物石綿含有建材調査者制度については国土交通省のホームページで詳しく調べることができます。) ・調査に要する費用の全額。ただし、25万円を限度とします。 【除去等事業】 ・アスベストを含む吹付け材(綿状で露出したもの)の除去、封じ込め、囲い込みの措置を行う工事であり、建築物石綿含有建材調査者が関与した作業計画に基づき実施する工事を補助対象とします。 ・除去等工事に要する費用の3分の2以内の額で下表限度額以内。ただし、分析調査事業で補助金を受けた場合は、その金額を控除します。 ※詳細は自治体ホームページをご確認ください。 |
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 住宅都市みどり局 建築指導部 建築調整課 |
福岡市の解体費用相場はいくら?
解体を具体的に検討するうえで最も気になるのが「総額でいくらかかるのか」です。
ここでは、構造別の目安費用を整理します。あらかじめ相場感を持つことで、見積金額が適正かどうかを判断できます。
建物構造別費用
以下は、福岡県内の解体費用相場を基準にした目安単価です(実際の費用は立地条件・接道状況・付帯工事などで変動します)。
| 構造 | 坪単価目安 | 30坪の概算費用 |
|---|---|---|
| 木造 | 約4.9万円/坪 | 約147万円 |
| 鉄骨造 | 約6.0〜7.0万円/坪 | 約180〜210万円 |
| RC造 | 約7.5〜9.0万円/坪 | 約225〜270万円 |
※福岡県内の一般的な解体相場を基準とした目安です。
木造住宅でも約150万円前後が目安となり、構造によっては200万円以上になる可能性があります。
そのため、補助金の有無や見積比較が、実際の支払額に大きく影響します。
費用が変動する条件
ここでは、なぜ同じ30坪でも見積金額に差が出るのかを整理します。
相場を知っていても、条件次第で総額は大きく変わるためです。
| 安いケース | 高いケース |
|---|---|
| 前面道路が広く重機が入りやすい | 道路が狭く手作業が多い |
| 整形地で障害物が少ない | 隣家との距離が近い |
| 付帯工事が少ない | ブロック塀・庭木・残置物が多い |
| 木造住宅 | RC造や鉄骨造 |
同じ構造でも、接道状況や付帯工事の有無で数十万円単位の差が出ることがあります。
見積金額を見る際は「坪単価」だけで判断せず、条件の違いを確認することが重要です。
解体工事価格は上昇傾向
木造住宅の解体費用は、ここ数年で全国的に上昇しています。
下記グラフでは、各年度の平均的な傾向をもとに算出した概算値を示しており、実際の費用は、建物の構造・立地・工事条件などによって大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
また、自治体の補助金を活用することで、実際の自己負担額が軽減できるケースもあります。
正確な費用を知りたい場合は、早めの見積り依頼を行うのがおすすめです。
概算シミュレーター
該当市区町村を選択すると、補助金を含めたおおよその解体工事費用が分かります。
このシミュレーターは、あくまで目安を知るためのツールです。
実際の費用は建物の構造や立地条件などによって変わるため、正確な金額を知りたい方は見積もりを依頼するのがおすすめです。
解体費用を抑えるポイント
解体費用は構造や条件によって大きく変動しますが、工夫次第で総額を抑えられる可能性があります。ここでは、実際に行動する際に確認すべきポイントを整理します。
相見積もり
解体費用は業者ごとに提示金額が異なります。
相見積もりを取ることで、適正価格かどうかを判断できます。
| チェック項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 見積は複数社から取得したか | 価格の妥当性を比較できるため |
| 「一式」表記が多くないか | 内訳が不明確だと追加費用の原因になるため |
| 付帯工事の内訳が明記されているか | 後からの追加請求を防ぐため |
| 廃材処分費が含まれているか | 別途請求になる可能性があるため |
1社だけの見積では適正か判断できません。
複数社を比較することで、相場から大きく外れていないかを確認できます。
業者選び
解体費用を抑えるうえで重要なのは「価格の安さ」だけではありません。
対応や許可状況を確認することで、追加費用やトラブルを防ぐことができます。
| チェック項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 建設業許可・解体工事業登録があるか | 無許可業者によるトラブルを防ぐため |
| 現地調査を実施しているか | 正確な見積を出すために必要だから |
| 見積書に工期が明記されているか | 工事遅延や追加費用を防ぐため |
| 近隣対応の説明があるか | 騒音・振動トラブルを防ぐため |
| 追加費用の条件が明確か | 予算超過を防ぐため |
価格だけで決めると、後から追加費用が発生する可能性があるため、事前確認を行うことで、結果的に総額を抑えやすくなります。
まとめ:空き家対策と補助金で解体を前向きに
福岡市では空き家率8.44%、空き家数は79,700戸にのぼります。そのうち13,300戸は放置空き家に該当します。空き家を所有している状況は決して珍しくありません。
解体費用は、木造30坪で約147万円、鉄骨造で約180〜210万円、RC造で約225〜270万円が目安となります。構造や立地条件によってはさらに変動するため、事前の総額把握が重要です。
補助金制度は自己負担額を軽減できる可能性がありますが、事前申請が必須であり、年度予算に限りがある点を理解しておく必要があります。解体を決めてからでは間に合わないケースもあるため、検討段階で確認しておくことが判断材料になります。
空き家をどうするかは早めの情報整理が鍵です。
まずは費用相場を把握し、補助金の条件を確認し、複数社の見積を比較することから始めてみてください。
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