都心からのアクセスも良く、近年は再開発や移住促進で注目を集めている千葉県木更津市。
しかしその一方で、空き家の増加という課題も顕在化しています。
とくに相続後の放置や老朽化による管理不全が問題となりつつあり、「空き家をどうするか」に悩む市民も少なくありません。
この記事では、木更津市における空き家の現状や補助制度、解体費用の相場、そしてコストを抑えるための方法までを詳しく解説していきます。
【木更津市】は今「空き家」が増えている?
交通の便が良い木更津市ですが、空き家の問題は静かに広がりを見せています。
特に高齢者世帯の住居や相続後に放置された住宅が目立ち始め、地域の景観や防災面での不安要素になっています。
ここでは、まず木更津市の空き家率など現状データから見ていきましょう。
最新の空き家率データ
木更津市の空き家率は15.11%で、千葉県全体の中でも比較的高い部類に入ります。また、放置空き家の数も4,230戸と多く、地域に与える影響は年々深刻化しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 空き家率 | 15.11% |
| 空き家数 | 10,180戸 |
| 放置空き家率 | 6.28% |
| 放置空き家数 | 4,230戸 |
| 住宅総数 | 67,370戸 |
市全体で見ると、約6~7軒に1軒が空き家という状況です。今後も高齢化や人口移動が続けば、さらなる増加が懸念されます。
なぜ空き家が増えているのか
木更津市で空き家が増えている背景には、全国的な傾向に加えて、都市近郊ならではの地域特性も影響しています。主な原因を以下に整理しました。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 高齢化と単身高齢世帯の増加 | 高齢者の住居が相続されず空き家になるケースが多い |
| 相続放棄・管理困難 | 相続人が市外に住んでおり、維持が困難で放置される |
| 若年層の都市流出 | 進学・就職で都市部へ移住し、実家が空き家になる |
| 解体費用や固定資産税の問題 | 費用負担や税制上の理由から、壊さず放置される |
木更津市は都心へのアクセスが良い一方で、住宅地の高齢化や空き家の更新が進みにくいという側面も見られます。
木更津市の補助金制度
木更津市では、空き家の利活用や解体を促進するために、さまざまな補助制度を用意しています。
以下は、主な制度の概要です。
千葉県 木更津市 の補助金情報
木更津市空家除却工事補助金
| 事業・条令名 | 木更津市空家除却工事補助金 |
|---|---|
| 制度の概要 | 適切に管理されていない空家が市民生活に影響を及ぼしていることに鑑み、市民の生命、身体及び財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図るため、放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態にある空家の解体工事に対して、予算の範囲内で工事費の一部を助成します。 |
| 対象事業・工事の概要 | 【まずは、空家調査から】 本補助制度を活用するためには、補助対象となる空家かどうか市の職員が調査します。 【助成対象工事】 助成の対象となる工事は、以下のとおりです。 ・空家を除却し、更地にする工事 ・建設業法(昭和24年法律第100号)別表第1に掲げる土木工事業、建築工事業若しくは解体工事業に係る同法第3条第1項の規定による許可を受けた者が行う工事 ・補助金の交付決定前に工事請負契約を締結した工事でないこと。 ・当該年度の2月14日までに工事完了予定であること |
| 対象申請者 | 助成の対象者は、空家の所有者または、法定相続人の方です。また、市税を滞納していない方、かつ、過去にこの補助金の交付を受けていない方が対象となります。 注意:所有者または法定相続人が、複数名いる場合は、その全員の同意が必要となります。 |
| 補助金額概要 | 対象経費の2分の1、かつ、上限50万円 |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 建設業法(昭和24年法律第100号)別表第1に掲げる土木工事業、建築工事業若しくは解体工事業に係る同法第3条第1項の規定による許可を受けた者が行う工事 |
| 問い合わせ先 | 都市整備部住宅課 |
木更津市木造住宅耐震改修事業補助金(除却)
| 事業・条令名 | 木更津市木造住宅耐震改修事業補助金(除却) |
|---|---|
| 制度の概要 | 木更津市では、耐震診断した結果の評点が1.0未満であった住宅の耐震補強を行う場合又は除却する場合に、その耐震改修工事等に要する費用の一部を補助します。 また、耐震改修工事と併せて市が定めるリフォーム工事を行う場合は、その工事費の一部についても補助します。 |
| 補助金額概要 | 【除却工事】 ・工事費の5分の4の額。千円未満の端数切り捨て、20万円が限度 ・ただし、昭和56年6月1日以降に工事に着手されたものは、上限10万円 (注意)一定の条件を満たした耐震改修を行った住宅は、所得税額の特別控除・固定資産税額の減税措置を受けることが出来ます。 |
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 施工者は市内に本店、支店、営業所を開設している者が施工すること。 |
| 問い合わせ先 | 都市整備部建築指導課 |
木更津市危険ブロック塀等安全対策事業補助金
| 事業・条令名 | 木更津市危険ブロック塀等安全対策事業補助金 |
|---|---|
| 制度の概要 | 木更津市では、道路等に面した危険なブロック塀等の撤去及び撤去に付随してフェンス等を設置する場合に要する費用の一部を補助します。 |
| 対象事業・工事の概要 | 次のいずれかに該当する工事となります。 ・基礎を含む危険なブロック塀等を全て撤去する工事 ・危険なブロック塀等を地盤面からの高さ60センチメートル以下に減じる工事 ・危険なブロック塀等の撤去に付随して新たにフェンスを設置する工事 |
| 対象申請者 | 危険なブロック塀等を所有している個人とします。ただし、次の各号のいずれかに該当する者を除きます。 ・本市の市税を滞納している者。 ・本市の他の要綱等の適用を受け、市の負担により危険なブロック塀等の撤去を行う者。 ・自己所有の危険なブロック塀等の撤去工事を自ら施工する者。 ・木更津市暴力団排除条例(平成24年条例第5号)第2条第2号に規定する暴力団員、同条第3項に規定する暴力団員及び同条例第9条第1項に規定する暴力団密接関係者。 ・過去に木更津市危険ブロック塀等安全対策事業補助金交付要綱に基づく補助金の交付を受けている者。 |
| 対象建築物の概要 | 道路等(通学路、避難路又は緊急輸送道路)に面するブロック塀等※で、道路等からの高さが60センチメートルを超えかつ道路境界線までの水平距離以上のもので、市長が危険と判断したものです。 ※ブロック塀等…コンクリートブロック塀、組積造の塀その他これらに類する塀をいう。 |
| 補助金額概要 | 【危険ブロック塀等の撤去】 次のいずれかのうち最も少ない額とします。 ア.危険ブロック塀等の撤去に係る費用の3分の2 イ.撤去する危険ブロック塀等の長さ1メートルあたり15,000円を乗じて得た額 ウ.100,000円 【危険ブロック塀等の撤去に付随して、フェンスを設置】 次のいずれかのうち最も少ない額とします。 ア.危険ブロック塀等の撤去及びフェンスの設置に係る費用の3分の2 イ.撤去する危険ブロック塀等の長さ1メートルあたり15,000円を乗じて得た額と設置するフェンスの長さ1メートルあたり15,000円を乗じて得た額の合計 ウ.200,000円 (注意):補助金の額は、千円未満の端数は切り捨てになります。 なお、撤去するブロック塀等の長さの合計が20メートル以上の場合は、撤去及び撤去に付随してフェンスを設置する各工事の限度額が5万円増額となります。(撤去の場合ウ150,000円、撤去及びフェンス設置の場合ウ300,000円) |
| 定員 | 有り |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 都市整備部建築指導課 |
がけ地近接危険住宅移転事業
| 事業・条令名 | がけ地近接危険住宅移転事業 |
|---|---|
| 制度の概要 | がけ地付近に新しく建築物を建てる場合には、建築基準法などの制限がかかります。 そこで木更津市では、がけ崩れの危険がある「がけ地」付近の敷地(規制の範囲)に建っている住宅を撤去して、安全な場所に移転する場合に伴う費用を一部補助しています。 |
| 対象建築物の概要 | 千葉県建築基準法施行条例で規制されている、角度30度・高さ2メートルを超えるがけ地付近(規制の範囲)にある、昭和47年10月19日以前に建築された住宅で、その後増改築などを行っていないもの。 がけ(地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす硬岩盤以外の土地で高さ2メートルを超えるものをいう。以下同じ。) がけの上に建築物がある場合は、がけの下端から当該がけの高さの1.5倍、 がけの下に建築物がある場合は、がけの上端から当該がけの高さの2倍に相当する距離以内の場所に建築された建築物を対象の住宅として図示。 |
| 補助金額概要 | 危険住宅の除却に必要な経費(上限97万5千円) |
| 定員 | 無し |
| 業者指定 | 無し |
| 問い合わせ先 | 都市整備部建築指導課 |
空家除却に係る固定資産税の減免制度
| 事業・条令名 | 空家除却に係る固定資産税の減免制度 |
|---|
木更津市の解体費用相場はいくら?
空き家を解体して土地を活用したいと思っても、まず気になるのが「費用はいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。
解体費用は建物の構造や規模、敷地条件によって大きく異なります。
ここでは、木更津市における代表的な解体費用の目安と、費用に影響を与える要因について詳しく解説します。
建物の構造別にみた費用目安
解体費用は、建物の「構造」と「坪数」によって相場が大きく変動します。
木更津市で一般的な住宅の解体費用について、以下の表にまとめました。
| 建物の大きさ | 坪単価(木造) | 想定総額(30坪の場合) |
|---|---|---|
| 10坪未満 | 約6.6万円/坪 | 約66万円以下 |
| 10〜19坪 | 約6.4万円/坪 | 約64〜96万円 |
| 20〜29坪 | 約5.9万円/坪 | 約118〜177万円 |
| 30〜39坪 | 約5.7万円/坪 | 約171万円 |
| 40〜49坪 | 約5.4万円/坪 | 約216万円 |
| 50〜59坪 | 約4.9万円/坪 | 約245万円 |
| 60〜69坪 | 約4.8万円/坪 | 約288万円 |
| 70坪以上 | 約4.7万円/坪 | 約329万円以上 |
鉄骨造は木造の約1.2倍、RC造は最大2倍程度の費用がかかる場合があります。
費用が高くなる・安くなるケース
解体工事の費用は、建物の構造や広さ以外にも、現場の状況や周辺環境によって大きく左右されます。以下の表に、費用に影響を与える代表的な要因を整理しました。
| 条件 | 費用が高くなるケース | 費用が安くなるケース |
|---|---|---|
| 立地条件 | 前面道路が狭い、搬入経路が悪い | 道幅が広く重機が入りやすい |
| 建物構造 | RC造や鉄骨造 | 木造 |
| 残置物の有無 | 家財道具が多く残っている | すでに撤去済み |
| 地中障害物 | 庭石・井戸・浄化槽などがある | 地中に障害物がない |
| 隣接状況 | 隣家と密接しており養生が必要 | 周囲に空きスペースがある |
これらの要因を事前に把握しておくことで、追加費用の発生を防ぐことができます。
解体工事価格は上昇傾向
木造住宅の解体費用は、ここ数年で全国的に上昇しています。
下記グラフでは、各年度の平均的な傾向をもとに算出した概算値を示しており、実際の費用は、建物の構造・立地・工事条件などによって大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
また、自治体の補助金を活用することで、実際の自己負担額が軽減できるケースもあります。
正確な費用を知りたい場合は、早めの見積り依頼を行うのがおすすめです。
概算シミュレーター
該当市区町村を選択すると、補助金を含めたおおよその解体工事費用が分かります。
このシミュレーターは、あくまで目安を知るためのツールです。
実際の費用は建物の構造や立地条件などによって変わるため、正確な金額を知りたい方は見積もりを依頼するのがおすすめです。
解体費用を抑えるポイント
解体工事にかかる費用は決して安くありません。
しかし、工夫次第で数万円〜数十万円の差が出ることもあります。
特に、相見積もりの活用や、信頼できる業者選びは費用削減の大きなポイントです。
解体費用を安くするには「相見積もり」が効果的
木更津市で解体工事を検討している方にとって、相見積もり(複数業者からの見積もり取得)は費用を抑えるうえで非常に有効な手段です。
なぜ相見積もりを取るべきか?
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 費用の妥当性がわかる | 業者によって数十万円の差が出ることもある |
| 見積もりの内訳を比較できる | 解体費・処分費・諸経費などの詳細が確認できる |
| 信頼できる業者を選べる | 対応や説明の丁寧さから判断可能 |
木更津市内でも業者によって価格が違う理由
- 使用する重機や作業員の自社保有状況
- 廃材処分場までの距離
- 地元密着型か下請け依存かの違い
相見積もりのポイント
- 少なくとも3社以上に見積もりを依頼する
- 条件(面積・構造・残置物の有無など)を統一して依頼する
- 一括見積もりサイトを利用すると効率的に比較できる
解体工事の費用で後悔しないためにも、相見積もりは必ず取りましょう。
解体業者選びで失敗しないための注意点
木更津市内には多くの解体業者がありますが、「どこに依頼しても同じ」と考えるのは危険です。
信頼できる業者を見極めるには、以下のようなポイントを事前にチェックしておくことが大切です。
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 建設業許可・解体工事業登録の有無 | 正式な許可がある業者は法令遵守の意識が高い |
| 見積もり内容の明確さ | 工事内容・費用内訳がわかりやすいかどうか |
| 近隣対応の丁寧さ | 着工前の挨拶や騒音・ホコリ対策の配慮があるか |
| マニフェストの発行 | 廃材の適正処理をしているかの確認にもなる |
| 木更津市での実績 | 地元での施工例があるか、地域の事情に詳しいか |
事前に口コミや実績、相談時の対応も含めて判断することが、トラブルを避けるための重要なポイントです。
まとめ:空き家対策と補助金で解体を前向きに
木更津市でも空き家は年々増加しており、老朽化が進んだまま放置されることで、近隣への悪影響や倒壊リスクが高まります。
しかし、補助制度を活用したり、費用を抑える工夫をしたりすることで、負担を軽減して前向きに解体を進めることが可能です。
空き家を次の活用へとつなげるためにも、早めの対応が重要です。
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