フェンスの撤去を専門業者に依頼すると費用がかかりますが、具体的にどのくらいの費用がかかるか分からず、放置してしまっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、そうした方に向けて、フェンスの撤去費用や撤去すべきかどうかの判断基準、所有権の問題など撤去工事前に気を付けておくべきポイントをご紹介していきます。
フェンスの撤去費用相場
フェンスの撤去費用相場ですが、一般的な戸建て住宅であれば3~20万円程度を想定しておけば問題ないでしょう。
フェンスの撤去費用は概ね以下のような要素で変動します。
- フェンスの一部撤去なのか全部撤去なのか
- フェンスの土台部分はあるのか
- フェンスの材質は何なのか
フェンスの撤去費用の見積もりを業者に依頼する場合は、複数社で比較するためにも、具体的にどんな工事にどのくらいの費用がかかっているのか詳細を書いてもらうようにするとよいでしょう。
フェンスの材質・種類について
フェンスの種類については、概ね以下の5種類があります。
- アルミフェンス
- スチールフェンス
- 木製フェンス
- 樹脂フェンス
- 鋳物フェンス
それぞれの特徴を見ていきましょう。
アルミフェンス
安価で丈夫なことから、多くの住宅で採用されているフェンスです。
アルミなので錆びにくく長期的に利用できるのもポイント。
ただし、耐久性に若干劣るため、大きな衝撃を受けると変形してしまいやすいです。
加工が容易で鮮やかな色やデザインを取り入れたものがある点もポイント。
スチールフェンス
アルミフェンスより丈夫なのにも関わらず、安価で設置可能です。
ただし、鉄製なので錆びやすいという特徴があります。
ウッドフェンス
木の温もりを感じることのできるウッドフェンス。
設置時は見た目がよいですが、ソフトウッド製のフェンスだと比較的短期間で劣化しやすく、1~2年に1回木材の保護塗料を塗る必要があります。
小まめにメンテナンスできる人向けの材質だといえるでしょう。
ただし、ハードウッド製であれば定期的に汚れを落とす程度でよく、比較的長く使用できます。
樹脂フェンス
見た目がウッドフェンスに見えるフェンス。
ウッドフェンスだと腐食してしまいますが、樹脂フェンスであれば長期間安心して使うことができます。
木の温もりを感じつつ、長期間使っていきたいという方におすすめの材質です。
なお、ウッドフェンスよりは耐久性が高いですが、アルミフェンスなどと比べると低くなってしまいます。
鋳物フェンス
アルミや亜鉛などの金属を加熱して型に流して作られたフェンス。
洋風の独特な外観に仕上げることができますが、成型に時間がかかるため、コストが高くなってしまいます。
フェンス撤去工事の流れ
フェンス撤去工事は以下のような流れで行われます。
- 基礎コンクリートの掘り起こし
- フェンスと柱の解体
- 解体したフェンスの回収
それぞれ見ていきましょう。
基礎コンクリートの掘り起こし
フェンスはブロック塀の穴に柱の下部が埋められている形が多いです。
この下部の部分をコンクリートで埋めることで基礎としての役割を果たします。
フェンスの撤去工事では、最初に基礎コンクリートを掘り起こして、ブロック塀とフェンスを引き離すことから始めます。
最初にこの作業をしておくことで、次の工程である、フェンスと柱の解体がやりやすくなるのです。
フェンスと柱の解体
次にフェンスと柱の解体を行います。
基本的には専用の工具を使って引きはがすことになります。
なお、フェンスの撤去工事は自分で行うこともできますが、素人がこの工程を自分でやろうとすると、手を切ってしまうなどケガにつながりやすいです。
基本的には、解体業者に依頼することをおすすめします。
解体したフェンスの回収
フェンスと柱の解体が住んだら、解体したフェンスを回収します。
解体したフェンスは粗大ゴミとして出すことになるため、仮に自分で解体工事をやるのであれば、ゴミの回収に出しやすいよう、小さく降りたたんでおくようにしましょう。
なお、ブロック塀の撤去も検討されている方は、以下記事で詳しく解説しています。
内部リンク(ブロック塀撤去)
フェンスを撤去すべきかどうかの判断基準
劣化したフェンスは危険なことが多く、撤去すべきだといえますが、具体的にどのような状態になったら撤去を検討するとよいのでしょうか。
ここでは、フェンスを撤去すべきかどうかの判断基準として、以下3つの事例をご紹介します。
- 傾いている
- ひびが入っている
- 錆びている
- 設置してから年数が経っている
それぞれ解説します。
傾いている
まずは明らかに傾いていることが分かるフェンス。
これは撤去を検討したほうがよいでしょう。
見た目にも悪いですし、目隠しや侵入防止といったフェンスの役割を果たしていないことも。
なお、フェンスが傾いたまま放置していて、例えば台風などの際にフェンスが倒れて通行人がケガをしたようなケースでは、フェンスの所有者に責任が及ぶ可能性があります。
通常、台風など災害の際に、建物やフェンスが倒壊して通行人がケガをしたとしてもその所有者が罰せられることはありません。
しかし、明らかに傾いているなどして、危険な状態であることが分かるのにも関わらず、これを放置していた場合、管理責任を問われる可能性があります。
こうしたことからも、傾いているフェンスは早い段階で撤去を検討したほうがよいといえるでしょう。
ひびが入っている
傾いているフェンスと同様、ひびが入っているフェンスも撤去を検討したほうがよいでしょう。
こちらも、災害の際などに倒壊につながる可能性がありますし、近い将来傾いたり、ぐらついたりする可能性が高いといえます。
錆びている
スチール製のフェンスで錆びてしまっている場合は、劣化が進んで耐久性が落ちやすくなる点や、見た目の問題から撤去を検討すべきです。
設置してから年数が経っている
傾きやひびなど明らかに分かる問題なくとも、設置してから年数が経っている場合、撤去を検討するのがおすすめです。
特にウッドフェンスは数年で劣化してしまうこともあるため、注意が必要です。
アルミ製のフェンスであれば数十年利用することができますが、それでも20~30年経過したら撤去・交換を検討する時期だといえます。
フェンスの撤去工事前に境界を確認しておこう
フェンスの撤去工事で気を付けておきたい問題として、境界の問題があります。
境界とは?
境界とは、隣地の所有者との間で、土地と土地の所有権の境目を示すもの。
境界は測量図を見れば確認できるようになっています。
現地では四角いコンクリートの頭の部分が赤く塗られた境界標などで確認できるため、測量図と照らし合わせながら確認するとよいでしょう。
フェンスの所有権は?
境界を確認したら、次はフェンスの所有権は誰なのか確認しておきます。
フェンスは目隠しや侵入防止といった目的がありますが、隣地との境界線に設置するフェンスは隣接する家のどちらかが設置すればよいもの。
基本的には、先にフェンスが欲しいと思ったものが施工します。
しかし、フェンスを設置してから数十年経過しているようなケースでは、所有者自身でも記憶があいまいなケースもあるものです。
こうしたケースでは、「自分のもの」と早合点する前に、隣地の所有者と話し合っておくとよいでしょう。
場合によっては、隣地の所有者の方が思い違いをしていて、思わぬトラブルに発展してしまうケースもあります。
そうした、無用なトラブルを避けるためにもフェンスを撤去する前に隣地の所有者に一言相談しておくことが大切なことです。
隣地の所有者と折半してフェンスを建てるケースもある
最近ではほとんど見られなくなりましたが、古い建物になると、隣地の所有者と費用を折半してブロック塀とフェンスを建てているケースがあります。
通常、ブロック塀やフェンスは、施工する側が境界線の内側に設置します。
一方、こうした折半してフェンスを建てるケースでは、フェンスの中心部分に境界線があることも。
こうしたケースでは、そもそも解体するかどうかを隣地の所有者とよく話し合うことが大切だといえます。
また、いざ解体することが決まった場合には、できればどちらかが費用を負担して、境界線の上ではなく、どちらかの敷地内に設置するのがおすすめです。
というのも、現在の所有者間では了解が取れていても、将来所有者が変わったときにトラブルに発展してしまう可能性があるからです。
隣家との話し合いは専門家立ち合いのもとで行おう
フェンスを撤去したり、新しく設置したりする工事は土地に改良を加えることで、費用も発生します。
隣人との関係が悪化してしまわないよう、専門家に立ち会ってもらうとよいでしょう。
もちろん、自分の敷地内にフェンスがある場合はそこまでする必要はありません。
一方、フェンスの所有権を折半しているようなケースでは、フェンスを撤去するだけの合理的な理由を説明することが求められます。
このため、専門業者から説明してもらうことが重要なのです。
隣の家の解体工事が原因でフェンスが傾いたケース
フェンスが傾いてしまえば、目隠しや侵入防止の役割を果たせなくなる可能性があり、撤去を検討する必要があるでしょう。
フェンスが傾いてしまう理由にはさまざまなものがありますが、中には、隣地の所有者が解体工事を実施するなどして、傾いてしまうこともあります。
こうしたケースでは、どのように対処するとよいのでしょうか。
証拠を取っておく
まずは、「隣地の所有者が解体工事をしたことでフェンスが傾いた」ことを証明する証拠を取っておく必要があります。
できれば、解体工事が実施される前のフェンスの状態が分かる写真と、解体工事実施後のフェンスの状態が分かる写真の両方を用意できるとよいです。
必ずしも争いに発展するわけではありませんが、いざ求められたときに対応できるよう、最初の段階で用意しておくことが大切です。
隣地の所有者と話し合い
次に、隣地の所有者と話し合いを行いましょう。
解体工事の結果傾いたのであれば、工事を担当した解体業者が責任を負わなければならないこともあります。
とはいえ、直接解体業者にいうのではなく、施主である隣地の所有者に話を持ち掛けるのがよいです。
後は、どのように責任を取るかは、施主である隣地の所有者と解体業者次第です。
この段階で話し合いがまとまり、フェンスの撤去工事や修理、交換などを行ってくれるのであれば問題ありません。
場合によっては弁護士への相談も検討しよう
中にはなかなか過失を認めない業者もいます。
そうしたケースでは、自分が折れて傾いたフェンスの撤去や修理費用を負担するのも一つの方法です。
一方、どうしても納得できない場合には弁護士に相談することも検討するとよいでしょう。
自分でフェンスを撤去することもできる?
フェンスの撤去は柱とフェンス部分を解体できればよいため、自分で撤去できなくもありません。
しかし、柱とフェンス部分の解体では専門の工具を使います。
また、特にフェンスとブロック塀をつなぐ基礎コンクリート部分については素人では解体することができません。
できることとしたら、基礎コンクリートの部分ができるだけ目立たないよう、柱部分を切除することくらいです。
その他、解体中はフェンスや柱の取り扱い次第で自分がケガをしてしまう可能性もあります。
フェンスの撤去はトラブルにつながることも多い
また、先述の通り、フェンスの撤去は所有権の問題等からトラブルにつながってしまうことも多いものです。
素人目線だと、どのようなことが問題に発展する可能性があるのか分からないもの。
専門業者に相談すれば、フェンスの状況から、トラブルに発展することのないよう適切なアドバイスを受けることができるでしょう。
こうしたことから、フェンスの撤去工事は自分でするのではなく、できるだけ専門業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
フェンスの撤去費用について、費用相場をお伝えするとともに、フェンスの種類や撤去すべきかどうかの判断基準、フェンスの所有権の問題などお伝えしました。
フェンスは隣地の所有者との間でトラブルに発展してしまうことが少なからず起こりえます。
無用なトラブルを避けるためにも、「問題ないだろう」で進めるのではなく、石橋を叩きながら慎重に進めるのがおすすめです。
具体的にどのような点に気を付ければよいかについては、本記事の内容を参考になさってください。
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